公文書管理法第1条にあるように、アーカイブズには二つの性質がある。ひとつは組織の行政管理・経営管理あるいは法務方面でアカウンタビリティを担保するためのエビデンス(証拠)であり、もう一つは知的資源(文化資源あるいは情報資源など)であるということ。
そのため、地方公文書館は首長部局に位置付けられる場合と、教育委員会の下で運営される場合がある。これについては国立公文書館が刊行する「全国公文書館関係資料集」が詳しい。
近年「文化機関」の連携の枠組みの中にアーカイブズを位置付けようとする動きも盛んである。その場合、MLAと呼ばれたりする。Mはミュージアム(博物館、美術館)、Lはライブラリー (図書館)、Aはアーカイブズである。
柳沢芙美子氏によると、都道府県の文書館が教育委員会事務局所管の機関である場合、福井県をのぞくと、公開および文書管理の所管課の事務分掌に文書館が位置づいている例はみられない、という。福井県では文書館が情報公開・文書管理の所管課の事務分掌にも位置づいていることによって、
「文書館が選別した歴史的公文書の移管と収集・搬入、歴史的公文書の利用制限を行う際に、必要に応じて情報公開・法制課を通して現課の意見を参考にしたり、現用公文書の情報公開時の事例を参照しながら審査したりする際の協力関係の裏付となっている」「現用公文書の管理に関する例規である福井県訓令『福井県文書規程』改正の際には、文書館がその議論に加わる根拠にもなっていた」
とのことである。
柳沢芙美子「福井県文書館の行政組織上の位置付けと業務連携」(『北陸史学』68号、2019.12、68-69ページ)
図書館や博物館は教育委員館所管の場合が多いと思う。文書館がこれらとの連携を進めつつも、親組織の文書業務とのつながりを維持し、文書に関わる業務をよりよく改善していくためには、文書管理関係の所管課の事務分掌にも文書館が位置づけられるよう、注意していくことが必要である。このことを上記論文から学んだ。
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アイキャッチ画像は、
『越山若水』1910年収載。加藤竹雄家文書A0052-01441 福井県文書館蔵
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