• リンク
  • About

アーカイブズ工房 

~ Archives Studio 記録を活かす

アーカイブズ工房 

タグアーカイブ: 非財務情報

関 正雄『ISO 26000を読む 』(2011年)目次

26 火曜日 8月 2014

Posted by archivesstudio in Uncategorized

≈ コメントする

タグ

サステナビリティ, CSR, 統合報告, 非財務情報, ISO 26000

88x31
This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
——————–

企業のIR部門の方から、日本におけるCSRに関する考え方も変わってきているというお話をうかがいました。日本ではCSRが「法令遵守+社会貢献+環境対応」として理解されてきたものの、2010年にISO 26000(SR=社会的責任の国際規格。企業のみならず、すべての組織を対象としたもの)が発行され、国際的なスタンダードに沿ってCSRを理解する必要が生じつつあるといいます。

そこで、最近読んだ本の中でとても分かりやすくISO 26000を解説している文献の目次を紹介します。末尾の著者紹介によると、関正雄氏は株式会社損害保険ジャパンCSR部上席顧問であり、ISO26000作業部会において日本産業界代表エキスパートとして5年間規格策定に関わったほか、経団連の企業市民協議会企画部会長、国際協力NGOセンター理事他も務めているということです。

作業部会での議論の紛糾や合意に向けての粘り強い交渉の様子が伝わってきます。ひとつの事例に「4.3.5 性的指向と差別をめぐる議論」の紹介があります。文化・宗教を背景とした価値観の違いから、「性的指向(sexual orientation)を差別禁止事由の一つに入れるか入れないか最後まで紛糾し、専門のタスクチームによって議論を行った結果、最終的には「個人的関係(personal relationships)」と言い換えたうえで、差別禁止事由に入れることになったとあります。(82-83ページ)

[書誌情報]

タイトル:ISO 26000を読む : 人権・労働・環境…。社会的責任の国際規格:ISO/SRとは何か
著者:関正雄
出版者:日科技連出版社
価格:2,500円 (税別)
刊行年:2011
ページ数:163p
ISBN:978-4-8171-9393-3
出版者ページ:
http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN978-4-8171-9393-3

[目次]

まえがき

第1章 ISO 26000の概要

1.1 ISO 26000とは何か

1.1.1 ISO 26000をひと言でいうと
1.1.2 何が書いてあるか

1.2 CSRではなくSR規格であることの意味

1.3 規格の背景にあるもの

1.3.1 期待が失望に変わった温暖化国際交渉
1.3.2 「差異はあっても共通の責任」という考え方

1.4 ISO標準化の歴史と持続可能な発展

1.4.1 ISOは何を標準化してきたか
1.4.2 ISOはこれから何を標準化するのか

1.5 開発の経緯~難航した開発プロセス~

1.5.1 問題提起から作業部会の立ち上げまで
1.5.2 求心力を高めていった作業部会
1.5.3 規格発行後は各国で国内規格化へ

第2章 ISO 26000を理解するためのキーワード

2.1 ガイダンス文書

2.1.1 推奨事項を記述した手引き書
2.1.2 手引き書とした理由は何か
2.1.3 PDCAサイクルと認証問題

2.2 マルチステークホルダー・プロセス

2.2.1 定義
2.2.2 欧州のマルチステークホルダー・フォーラム
2.2.3 ISO 26000におけるマルチステークホルダー・プロセス
2.2.4 社会的責任に関する円卓会議

2.3 ステークホルダー・エンゲージメント

2.3.1 定義をめぐる議論
2.3.2 これまでのエンゲージメント、これからのエンゲージメント
2.3.3 経団連企業行動憲章における定義
2.3.4 コミュニケーションとエンゲージメント

2.4 サプライチェーンとバリューチェーン

2.4.1 規格策定の原動力となったサプライチェーン
2.4.2 監査からキャパシティ・ビルディングへ
2.4.3 「影響力の範囲」の議論
2.4.4 バリューチェーンが重要に
2.4.5 持続可能なカシミア・プロジェクト

第3章 規格解説その1 社会的責任の基本(箇条1~4)を理解する

3.1 基本の理解が重要

3.2 適用範囲(箇条1)

3.3 社会的責任の定義(箇条2)

3.4 社会的責任の理解(箇条3)

3.4.1 歴史的理解
3.4.2 社会的責任が求められる理由
3.4.3 持続可能な発展と組織の社会的責任の関係

3.5 社会的責任の原則(箇条4)

3.5.1 原則とは何か
3.5.2 国際行動規範の尊重
3.5.3 原則を活用する

第4章 規格解説その2 社会的責任の中核主題(箇条6)を理解する

4.1 中核主題の全体像(箇条6)

4.2 組織統治(箇条6.2)

4.3 人権(箇条6.3)

4.3.1 人権とラギー報告
4.3.2 人権パートに何が書いてあるか
4.3.3 人権デューディリジェンスとは何か
4.3.4 「加担」について
4.3.5 性的指向と差別をめぐる議論
4.3.6 今後の他の規範への影響

4.4 労働慣行(箇条6.4)

4.4.1 ILOとISOの協力覚書の意味
4.4.2 人権との関連の深さ
4.4.3 日本のCSRと労働
4.4.4 児童労働
4.4.5 労働における5つの課題

4.5 環境(箇条6.5)

4.5.1 環境問題の理解
4.5.2 汚染の予防
4.5.3 持続可能な資源の利用
4.5.4 気候変動の緩和および気候変動への適応
4.5.4 環境保護、生物多様性、および自然生息地の回復

4.6 公正な事業慣行(箇条6.6)

4.6.1 基本的な考え方
4.6.2 具体的なアクション

4.7 消費者課題(箇条6.7)

4.7.1 SRの中核主題としての特徴
4.7.2 保護すべき消費者の権利
4.7.3 持続可能な消費について
4.7.4 「消費者市民社会」を目指して

4.8 コミュニティへの参画およびコミュニティの発展(箇条6.8)

4.8.1 SRの中核主題としての特徴
4.8.2 具体的な課題とアクション
4.8.3 社会貢献とSR

第5章 規格解説その3 社会的責任を組織の活動に組み込む(箇条5および7)

5.1 社会的責任の認識およびステークホルダー・エンゲージメント(箇条5)

5.1.1 組織とステークホルダーと社会の関係
5.1.2 課題の絞込み
5.1.3 影響力の範囲
5.1.4 ステークホルダーの特定
5.1.5 ステークホルダー・エンゲージメント

5.2 組織全体に社会的責任を統合するための実践(箇条7)

5.2.1 基本的な考え方(箇条7.1~7.3)
5.2.2 組織全体に社会的責任を統合するための実践(箇条7.4)
5.2.3 社会的責任に関するコミュニケーション(箇条7.5)
5.2.4 社会的責任に関する信頼性の向上(箇条7.6)
5.2.5 社会的責任に関する組織の行動および慣行の確認および改善(箇条7.7)
5.2.6 社会的責任に関する自主的なイニシアチブ(箇条7.8)

第6章 ISO 26000をどう活用していけばよいか

6.1 規格のインパクト

6.1.1 中国とISO 26000
6.1.2 途上国の積極姿勢
6.1.3 さまざまな規範への影響
6.1.4 日本企業の反応

6.2 具体的にはどう活用したらよいか

6.2.1 考え得る活用方法
6.2.2 教育・啓発ツールとしての活用
6.2.3 企業行動憲章の活用
6.2.4 中小組織向けには
6.2.5 全ての組織の社会的責任という視点

6.3 求められている企業のリーダーシップ

6.4 結びに代えて

6.4.1 時代が求めた社会的責任規格
6.4.2 変化を生み出すためのソフトロー

あとがき
参考文献
索引
著者紹介

・。・。・。・。・。・。・。・。・

そして、次の引用で本文が結ばれています。(156ページ)

「見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい。」

‘You must be the change you want to see in the world.’

Mahatma Gandhi (1869-1948)
・。・。・。・。・。・。・。・。・

2014-07-05 14.02.58

 

 

【その他参考】

川村 雅彦「サプライチェーンのCSRリスクに疎い日本企業 (その1):“日本型CSR”に潜むリスク促進要因」(ニッセイ基礎研究所『基礎研レポート』2013-09-17)
http://www.nli-research.co.jp/report/nlri_report/2013/report130917.html

藤井敏彦『ヨーロッパのCSRと日本のCSR:何が違い何を学ぶのか』(日科技連出版、2005年)
http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN4-8171-9160-0

 

企業アーカイブズと統合報告(Integrated Reporting)

18 月曜日 8月 2014

Posted by archivesstudio in Uncategorized

≈ コメントする

タグ

サステナビリテイl, CSR, 統合報告, ESG, 非財務情報, IIRC, ISO 26000

88x31
This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
——————–

2014年8月4日の日本経済新聞社朝刊の社告「企業価値を創る情報開示とは:『統合報告』シンポ開催 9月2日」が目にとまりました。
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO75186570U4A800C1MM8000/
http://adnet.nikkei.co.jp

統合報告とは国際統合報告評議会(International Integrated Reporting Council) http://www.theiirc.org/ (IIRC)が中心になって進めている企業報告の新しいあり方で、これまで別々に作成されてきた財務情報に関する報告と非財務情報に関する報告(ESG=環境、社会、ガバナンスに関する報告)を統合し、企業の長期にわたる価値創造に関わる情報をより分かりやすく投資家をはじめとするステークホールダーに提供することをめざしたものです。実際に作成される報告書が統合報告書と呼ばれます。

下記のサイトが分かりやすく統合報告について説明しています。

新日本有限責任監査法人 市村清「統合報告」を語るシリーズ(全10回)
http://www.shinnihon.or.jp/services/advisory/ir/column/

野村インベスター・リレーションズ
シニアコンサルタント 佐原 珠美
企業の価値創造プロセスを伝える「統合報告」とは
1)非財務情報の重要性の高まりと統合報告の背景
http://nomura-ir-webtsushin.e-ir.ne.jp/column/integratedreport01.html
2)日本の統合報告の現状と策定のポイント
http://nomura-ir-webtsushin.e-ir.ne.jp/column/integratedreport02.html

これがどのようにアーカイブズと関係するのか?

前回のブログ(奥村健治「企業史としての記録保存と活用」(2006年))で触れたように、2006年の段階で「環境会計という概念のような考え方をアーカイブや記録管理に応用できないか」という意見が記録管理やアーカイブズ関係者の間で表明されていました。

そこで思い出したのが、2012年8月の国際アーカイブズ評議会(ICA)のブリスベン大会でのインネッケ・デセルノIneke Deserno(NATO=北大西洋条約機構のアーキビストでありオーストラリア・モナシュ大学大学院博士課程に在籍中)の発表「レコードキーピング:企業の社会的責任の証拠か?」です。

公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター「ビジネス・アーカイブズ通信」41号(2012年11月6日発行)では次のように紹介しています。
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20121106.html

「発表はデセルノ氏の博士論文のためのリサーチの途中経過の報告でした。グローバル企業が発行する「サステナビリティ・レポート」は企業が社会、経済、環境に影響を与える活動や決定に関する情報を提供してくれます。記録は企業活動と決定に関する証拠なので、レコードキーピングの原則とプログラムは、サステナビリティ報告業務における重要な要素です。しかしながら現時点では企業は持続可能な活動を支援するために、レコードキーピング・プログラムを使用していないし、さらに重要なことは記録に関わる専門職の人々がこれらの活動に十分に関わっていない点にあります。このペーパーでは、CSRにおける記録管理の役割と、記録がサステナビリティ報告に寄与するものかどうかという問いを検討しています。デセルノ氏はウェブ上で公開されている各社のサステナビリティ報告を基にしつつ、関係者へのインタビューを行い、研究を進めています。

暫定的な結論として、記録の専門家たち、特に企業で働く記録プロフェッショナルは、組織の業務に積極的に関わり、それぞれの業務過程の中に、記録管理・レコードキーピングに必要な要件を組み入れるべきであることを示唆しています。そして、今こそCSRのための効果的なレコードキーピング体制を確立すべき時であると結論づけています。」

わたしもこの発表の場に居合わせました。立ち見が出るほどの盛況ぶりで、アーカイブズ、記録管理関係者が大いに注目する報告でした。

デセルノ氏の問題意識は、グローバル化した多国籍企業が透明性を確保し、信頼しうるサステナビリティ・レポートを作成するためには適切な記録管理が欠かせない、という点にあります。
http://infotech.monash.edu/research/about/centres/cosi/documents/ineke-phd-summary.pdf
(デセルノ氏の博士論文リサーチプロポーザル)

統合報告の議論でわたしが注目するのは、報告作成における記録管理の役割に加え、アーカイブズ機能のもたらす付加価値が非財務情報=ESG情報(企業の長期的価値創造に寄与する)としてより可視化される可能性がある点です。

宝印刷株式会社総合ディスクロージャー研究所編『統合報告書による情報開示の新潮流』(2014年、同文舘出版)46ページにオムロン作成「今後の企業価値の考え方」の図が掲示されています。これによると「非財務指標 見えない資産」には「理念の浸透度」「企業文化の濃さ」「CSR」「ガバナンス」「次世代経営者」といった指標があげられています。(オムロンは2012年からアニュアルレポートに変えて統合レポートを発行しています。)
http://www.omron.co.jp/ir/irlib/irlib_list.html

ビジネスアーカイブズ、企業史料関係者のこれまでの主張、すなわち「企業アーカイブズの利活用は企業理念、企業文化、ガバナンス、CSR・・・といった多様な価値に貢献する」ということが、投資家をはじめとするステークホールダーに理解してもらえる方向に進んでほしいと思います。

なお、以下の点を企業のIR関係の方からご教示いただきました。

《統合報告の導入が近年日本でもさまざまに取り上げられるようになった背景としては、スチュワードシップ・コードや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)といったものとの関係から日本の機関投資家が、(企業報告)発行体に対してガバナンスをはじめとする中長期的な質問をするようになったこともある。さらに発行体側にもルールを課すためにコーポレートガバナンス・コードといったものの検討も始まっている》

【参考①】

平成26年6月10日 金融庁「責任ある機関投資家」の諸原則
≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~の受入れを表明した機関投資家のリストの公表(第1回)について
http://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20140610-1.html

平成26年8月7日(木)9時30分~11時00分
金融庁 コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(第1回)議事次第
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20140807.html

【参考②】

下記のIIRC関係の動画も参考になります。

Paul Druckman 国際統合報告評議会CEO
「統合報告フレームワークが解決しようとしている課題」
What problem is the integrated reporting framework trying to fix?
2013年4月15日アップロード
https://www.youtube.com/watch?v=n2Qv5L2f-So&feature=youtu.be

斉藤惇 株式会社東京証券取引所グループ代表執行役社長
「ビジネスにおける統合報告の重要性」
2011年1月17日 中国・北京で収録
2011年9月27日アップロード
https://www.youtube.com/watch?v=FJGYUldoWM4&list=UUee53PLVUpXLL5kIsfMw7aQ&index=30

英国チャールズ皇太子
「新しい統合報告フレームワークを支持する」
HRH The Prince of Wales endorses the new International Integrated Reporting Framework
2013年12月5日アップロード
https://www.youtube.com/watch?list=UUee53PLVUpXLL5kIsfMw7aQ&v=BIVWxmqGs9M&app=desktop

IMG_1455

奥村健治「企業史としての記録保存と活用」(2006年)

13 水曜日 8月 2014

Posted by archivesstudio in Uncategorized

≈ コメントする

タグ

ESG, 非財務情報

88x31
This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
——————–

企業史料関連論稿の紹介です。

[書誌情報]

著者:奥村 健治(おくむら けんじ)

タイトル:企業史としての記録保存と活用(研究発表,記録管理の社会的責任,<特集>2006年研究大会)

英文タイトル:Preservation and usage of records for a corporate history (Article presented at the annual meeting of the Society, Social responsibility of records management)

雑誌名:レコード・マネジメント : 記録管理学会誌

巻号:(52), 37-42, 2006-12-18

発行者:記録管理学会

Cinii Articles: http://ci.nii.ac.jp/naid/110005717847
(オープンアクセス。本文PDFへのリンクがあり、本文が読めます。)

[目次]

1. はじめに

2. キヤノン史アーカイブ室沿革

3. 史料の収集、保存、利用の基本

4. 業務方針

5. 今後の課題

**********************

2006年5月20日に開催された2006年度記録管理学会研究大会における特別事例紹介を元にした論稿です。冒頭「はじめに」で、キヤノンの企業史アーカイブの基本姿勢は「身の丈にあったアーカイブ」であると宣言しています。その内容は

(1)「安定した運営のために、中長期計画及び日々の業務の判断基準や運用ルールの明確化が必要」

(2)「保存する情報や物品と、保存のためのルール整備が確実になされることで、はじめてその基盤ができ、初めてアーカイブが社内認知され、積極的な運営が可能になる」

(3)「過剰でもなければその逆でもない身の丈に合った品質とそれを実現する経営資源が必要」

とまとめられています。(37ページ)

今から8年前の発表ですが、企業アーカイブズの構築と運営の指針として、多くの企業にとっては今もって追求されるべき事項ではないでしょうか。

論稿本文では続いて、「キヤノン史アーカイブ室沿革」「史料の収集、保存、利用の基本」「業務方針」「今後の課題」が順に述べられています。実際に社内で利用されている(た)「製品管理台帳」、「毎月発行の月次年表」、「歴史的製品推薦リスト」は、社内記録のデータベースのフィールドを考えるのに有用でしょう。

イントラネットによる掲示板GCIP(Global Canon Information Plaza)で情報を社内公開→ストックした後、年表作成を行うというアーカイブ室における業務の流れが紹介されています。

2006年以降の変化を上げるならば、企業情報発信のアウトレットとしてインターネットの割合が高まったことがあるでしょう。その点を除くならば、8年前の論考ですが、企業内記録の保存と活用に関する考え方としてまったく色褪せた感じを受けません。

本文の最後に研究大会当日の質疑応答も収録されています。以下、長くなりますが、引用します。(42ページ)

Q1:
「組織の名称をキヤノン史編集室からキヤノン史アーカイブ室に変えたというのはすばらしいと思います。社史編纂室だとその度に組織がなくなります。その点でアーカイブ室にするというアイデアはすばらしく、他の会社でも同じようにしたらよいと思います。それから保存のコストに苦慮されていることです。これは記録管理学会の皆様に考えていただきたいことですが、企業会計は収入と支出が計上され、保存するコストばかりが問題になり結局捨てろということになる。保存しておくことの会計上のメリットができていないのではないか。数年前から環境会計という概念ができ認められてきた。そのような考え方をアーカイブや記録管理に応用できないのでしょうか?」

A1:
「名和先生の著作権の話でロビー活動が必要だという話がありましたが、役員をはじめ社内に対して、アーカイブの大切さを平易に訴求することが効果を生むと思います。アーカイブに限ることではないのですが、コストのみがかかっているというのではなく、過去の資産を再利用して利益を生んでいることを示すため、アーカイブがどれ位利益に寄与したかというような試みをしてみたことはあります。」(以上、引用)

「役員をはじめ社内に対して、アーカイブの大切さを平易に訴求することが効果を生む」点は引き続き各企業のアーカイブズ担当者が進めていくべき課題だと思います。一方、この8年間での変化には、財務情報のみならず、非財務情報(環境、社会、ガバナンス=いわゆるESG)を企業報告に取り込んでいく動きが目立ってきたことがあげられます。サステナビリティレポート、環境レポート、社会貢献レポートなどです。非財務情報を企業報告に取り入れていくにあたり、アーカイブズや記録管理が何らかの貢献を果たすことができるのではないか、そんなことを考えています。

IMG_1525

 

 

2026年5月
日 月 火 水 木 金 土
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
« 3月    

アーカイブ

最近の投稿

  • 日本アーカイブズ学会の2024年度大会、SIGフォーラム
  • 企業史料協議会第9回ビジネスアーカイブズの日(2020年11月6日)
  • 柳沢芙美子「福井県文書館の行政組織上の位置付けと業務連携」(2019年12月)
  • 「原課」ということば(2020年7月)
  • 国立公文書館「アーキビストの認証」申請・認証スケジュールの公示(2020年6月)
  • 尼崎市の文書館専門職(正規職員)採用試験情報(2020年1月)
  • ISO9000シリーズにおける「文書」と「記録」に関するメモ
  • recordor(deponentia)に関するメモ
  • 国立公文書館「アーキビスト養成・認証制度調査報告書」(2019年11月)
  • recordに関するメモ- ISO14589とGDPR

最近のコメント

archivesstudio のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に archivesstudio より
amano_kaeru のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に amano_kaeru より
archivesstudio のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に archivesstudio より
archivesstudio のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に archivesstudio より
amano_kaeru のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に amano_kaeru より
小林年春 のアバターPDF公開 富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけ… に 小林年春 より
富田三紗子 のアバター富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(… に 富田三紗子 より
archivesstudio のアバター富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(… に archivesstudio より
富田三紗子 のアバター富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(… に 富田三紗子 より
archivesstudio のアバター芳賀町総合情報館特別展「わが町学校のあゆみ─小学校編─」 に archivesstudio より

タグ

AA American Archivist archives Archon ARMA BAA BAC bank banking Bank of Japan business archives CSR EABH ECM ENC ESG evidence HSBC ICA ISDIAH ISO 26000 JSAS London NARA NDL NPO知的資源イニシアティブ NRA proof SAA spp TNA 『アーカイブズ学研究』 アーカイブ アーカイブズ アーキビスト シリーズ シリーズシステム シリーズ・システム デジタルアーカイブ デジタル・アーカイブズ ビジネスアーカイブズ フォンド 企業史料協議会 会社史 公文書 公文書管理 公文書管理法 勉誠出版 国会 国会図書館 国立公文書館 国立国会図書館 宇都宮 情報公開 政党 日本経営史研究所 日本銀行 日銀 東北 東日本大震災 構造 盛岡 目録 社史 立法 統合報告 編成 記述 記述標準 証拠 議会 遠野 銀行 階層構造 非財務情報

最近のコメント

archivesstudio のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に archivesstudio より
amano_kaeru のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に amano_kaeru より
archivesstudio のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に archivesstudio より
archivesstudio のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に archivesstudio より
amano_kaeru のアバター「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… に amano_kaeru より

WordPress.com Blog.

  • 登録 開始日
    • アーカイブズ工房 
    • WordPress.com のアカウントをすでにお持ちですか ? 今すぐログイン
    • アーカイブズ工房 
    • 登録 開始日
    • 登録
    • ログイン
    • このコンテンツを報告
    • サイトを Reader で表示
    • 購読管理
    • このバーを折りたたむ

コメントを読み込み中…