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ARMA International 東京支部の第110回定例会に参加しました。講師は長谷川俊明法律事務所代表の弁護士・長谷川俊明先生、演題は「内部統制と記録・文書管理」でした。昨年2015年はコーポレート・ガバナンス元年などともよばれました。企業内外でガバナンスの確立が強く意識されつつあります。
講演のレジュメには、1.コーポレートガバナンスと内部統制の関係、2.内部統制は、たんに静的体制をつくることではない。動的PDCAサイクルを回しつづけることに重点をおくべき、3.記録化・文書化を要求するグローバルルールづくりの進展、4.マイナンバー制度の導入で改めて問われる情報管理内部統制、とありこの順でお話が進みました。
講演では現在内部統制は総論の議論は終わり、各論が検討されている段階ということが強調されました。各論として上げられた事項のひとつが不祥事防止です。内部統制とは体制であって、不祥事を防ぐようなコントロールの効いた体制を作るためにはPDCAサイクルを回していくことだ、ということでした。お話はこの他にも多岐にわたりました。
また、配付された参考資料の「国際商事法務Q&A」(『国際商事法務』Vol.43, No.1, 2015. 質問は「OECDが2014年9月16日に公表した国際課税の新ルールは、日本企業の国際契約実務にどのような影響を及ぼすでしょうか。」)と『海外子会社の契約書管理』抜粋(いずれも執筆は長谷川弁護士)が、国際取引に関わる企業のグローバルな法的リスクを知る上で有用です。海外でビジネスを行うにあたってこれまで行われてきた慣行(ファシリテーション・ペイメントなど)に対する第三国(英米など)の規制が強化されつつあり、場合によっては日本人社員が日本法、現地法、第三国法の下で処罰される可能性もあるということです(『海外子会社の契約書管理』18ページ)。このような法的リスクへの対応が「文書化」なのです。レコード・マネジメントが現在いっそう必要とされていることを実感します。
