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日別アーカイブ: 2016年2月19日

JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)ECM委員会主催「ECMサミット2016(冬)~ECMのミライ~知識・協働・ディスカバリーの先へ」(2016年2月19日)に参加

19 金曜日 2月 2016

Posted by archivesstudio in JIIMA, Uncategorized

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ECM

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JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)ECM委員会主催「ECMサミット2016(冬)~ECMのミライ~知識・協働・ディスカバリーの先へ」(第21回ECM研究会)に行ってきました。ECMサミット・研究会に参加するのは今回が初めてです。

ECM(Enterprise Content Management)とは、JIIMAが運営しているECMポータルサイトによれば「組織の部門を越えた情報共有と運用・管理を実現する統合的な文書情報マネジメント」を意味します。

欧米のレコード・マネジメントやビジネス・アーカイブズ関連文献から、ECMはレコード・マネジメントとも密接に関係があるらしいことは分かっていたのですが、日本ではどのような取り組みが進んでいるのか見当がつかない状況でした。JIIMA ECM委員会によるこのイベントは、ECM関連のブロダクトやサービスを提供する(その多くはライバル関係にある)企業が多数参加するというもので、日本におけるECMの動向を知るにはよい機会と思い、参加を申し込みました。

最初に、ナビゲーション役であるJIIMA ECM委員会委員長の石井明紀氏から、キーノート的なお話がありました。石井氏によると、ECM導入の必要性として「新しい価値を創造するため」「変化に対応するため」「事務処理能力の向上のため」という言い方がよくなされるのだけれども、英米企業などに比べて日本企業でECM導入が進まないことに関しては、日本の特殊事情がある、とのことでした。日本での傾向としては、「プロジェクト単位のIT投資の決定」「SIに丸投げ」「レコード・マネージャーが不在である」「紙信仰・捨てられない」という気質が指摘されました。これらをひと言で言い表すと「サイロ作りをやめられない」(写真参照)とのこと。ECMは組織の全体最適を目指すためのツールであるわけで、サイロ作りに励んで部分最適で終わってしまう日本の組織にはなかなか導入が難しいということでした。いったい日本のどこがどう英米などと違っているのか、という観点から、石井氏は梅棹忠夫『日本語と事務革命』 とエリン・メイヤー『異文化理解力』 の2つの文献をあげて、すでにワードプロセッサー導入以前からホワイトカラーの生産性の低さが指摘されてきたこと(『日本語と事務革命』)、日本の組織文化が階層主義と合意志向を特徴とするものであり(『異文化理解力』)、日本の組織のこういった特質が、全体最適志向をある意味で妨げてきた→ECMがスムーズに導入されずにきた、という説明でした。

 

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こういった点を踏まえて、今回の研究会のテーマを「知識・協働・ディスカバリー」にしたということです。“いままでは紙の世界のイメージにとらわれて(引きずられて)、ある種完成した文書のみを管理するという心構えでよかったけれど、すでに実務の世界は電子的な文書・記録作成(講演で使われていた「発生」という言葉には違和感を感じました)がデフォルトとなっている”、“文書の完成以前の知識や情報、アイデアといったものをどのような仕組みによって連携させ、見つけるのか”・・・、サイロを壊して全体を結びつける考え方、ソリューションについて、4つの講演が行われました。4人に共通していた話題は米国のeディスカバリー制度です。これにきちんと備えておかないと莫大なペナルティを課される可能性が高く、備えとして大切なことは各種規定・ポリシー類の整備である、という点が最も重要であると感じました。

本日の講演のうち、公開可能なものは、今後JIIMAのウェブサイトに講演資料が掲載される予定とのことです。楽しみに待ちたいと思います。

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《プログラム》

「ナビゲーション」 JIIMA ECM委員長 石井明紀氏

「ECMが向かう場所 協創の時代の情報利用基盤へ」 株式会社富士通総研 小林潔氏

「クラウドの波 ECM領域にも本格上陸!」 日本アイ・ビー・エム株式会社 三ツ谷直晃氏

「従来型の管理と共有をいくら並べても企業は何処へも行けない」 オープンテキスト株式会社 大沢明広氏

「ECMの進化:完成文書管理から業務アプリケーションプラットフォームへ」 Hyland Software, inc. 新井拓哉氏

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なお、ナビゲーターの石井氏には九州大学附属図書館の林豊氏のご紹介で、以前一度お目にかかったことがあります。その時、石井氏より米国でのECM関連の会合にも参加した経験についてうかがいました。米国の場合、ECM関係の会合への参加者のかなりの部分がレコード・マネージャーであるということでした。一方、日本の企業・団体にはレコード・マネージャーもレコード・マネジメント(RM)もほとんど存在していない点に関して、「そこには日本の組織文化、グループとしての仕事のやり方、働く人々の気質(心性)といった要因があります。そこを見ずに“あるべき仕事のやり方は斯く斯く然々だから日本でのやり方もこうこうすべき”というアプローチではRMが受け入れられることもないし、根づかないのでは」という趣旨のお話をうかがいました。多くの組織は生産性を向上させたいと考えているはずなのですが、日本の場合、当人にはほとんど意識もされていないようなメンタリティによって、業務の改善をもたらすツールやシステムの導入が阻まれている、といえます。このようなお話を通じて、日本での仕事のやり方に関する石井氏の観察と、そこから引き出された洞察に、たいへん感銘を受けたのを覚えています。アーカイブズ学、記録管理学の研究者の立場からすると、「組織はレコード・マネジメント、アーカイブズの専門家を配置すべきだ」ということになるのですが、それがなぜ進まないかをよく考える必要があり、石井氏の観察は、その点で非常に示唆に富むものでした。

 

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