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月別アーカイブ: 1月 2016

三宅茜巳「デジタルアーカイブ教育カリキュラムの見直しに関する考察:企業アーカイブの観点の導入」(2014年)本文PDF

29 金曜日 1月 2016

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先日ご紹介した岐阜女子大学の三宅茜巳先生の論文「デジタルアーカイブ教育カリキュラムの見直しに関する考察:企業アーカイブの観点の導入」(『デジタルアーカイブ研究誌』2014, Vol.2, No.1, p.17-24)のPDFファイルを、本ブログサイトでの公開のため、三宅先生ご本人からご提供いただきました。ありがとうございました。

本文PDF

みなさまのご参考にしていただけると幸いです。
Bairin_Park_02

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ABairin_Park_02.JPG
By Hide-sp (Hide-sp’s file) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html), CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/) or CC BY-SA 2.5 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5)], via Wikimedia Commons

 

 

 

 

三宅茜巳「デジタルアーカイブ教育カリキュラムの見直しに関する考察:企業アーカイブの観点の導入」(2014年)

26 火曜日 1月 2016

Posted by archivesstudio in BAA

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This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
——————–

岐阜女子大学の三宅茜巳先生(企業史料協議会会員)から「デジタルアーカイブ教育カリキュラムの見直しに関する考察:企業アーカイブの観点の導入」(『デジタルアーカイブ研究誌』2014, Vol.2, No.1, p.17-24)の抜き刷りをご恵送いただきました。

英文タイトル:Reconsideration of a Digital Archive Education Curriculum

国立国会図書館の書誌情報によれば、収録誌『デジタルアーカイブ研究誌』の団体著者標目が日本教育情報学会、出版者がデジタルアーカイブ研究会事務局です。

NDLサーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024612841-00

本論文によると、岐阜女子大学では1994年に発表されたデジタルアーカイブ構想に呼応し、デジタルアーキビスト育成教育を開始し、以後常にカリキュラムの見直しを行ってきたといいます。近年の企業アーカイブズへの関心の高まりを受けて、本稿は、「従来のカリキュラムに欠けていた企業アーカイブの観点を導入しカリキュラムを見直すことの必要性について考察」(17ページ)しています。

【目次】

1. はじめに
2. 経緯
3. デジタルアーカイブ教育カリキュラム カリキュラム構成
4. 文化の理解
5. 企業文化
6. 企業アーカイブ
企業におけるアーカイブの価値
何をどのようにアーカイブするか
7. まとめと課題

以下では簡単に内容をご紹介いたします。

——————————————————-

【概要】

論文によると、岐阜女子大学では2000年4月に文化情報研究センターを設置し、デジタルアーカイブの開発と研究に着手したという。以後、2001年に文学部内に文化情報メディア学科を設置、2004年に「デジタルアーキビストの養成─文化情報の創造、保護・管理、流通利用を支援する─」が文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラムに採択され、デジタルアーキビスト養成教育のカリキュラムの開発と教育実践に取り組んできた。(2. 経緯)

同大学におけるデジタルアーカイブ教育プログラムは次の3つの分野からなる。すなわち、第1分野「文化の理解」、第2分野「情報の記録と利用」、第3分野「法と倫理」である。この分野に対応し、基礎科目とコア・カリキュラムとして以下の11科目を設定した。「デジタルアーキビスト概論」「文化情報処理」「マルチメディア」「デジタルアーカイブ」「メディアと著作権」「文化情報管理と流通」「文化情報システム」「文化情報メディア」「マルチメディア演習」「情報記録検索演習」「メタデータ情報処理演習」。(3. デジタルアーカイブ教育カリキュラム カリキュラム構成)

次に著者は第1分野「文化の理解」が想定している「各種文化」について検討している。それは「文学、言語、異文化理解、文化財、文化遺産、伝統文化、教育文化、博物館、図書館、文書館、学校教育といった言葉で表現される文化であり、そこに企業文化は含まれていなかった」(19ページ)と振り返っている。このような認識のあり方は、ひとり著者のみにとどまるわけではなく、実は文化庁サイト「我が国の文化政策」(平成26年度)目次を見てもほぼ同様であると本稿は指摘する。目次の細目で唯一「企業」が現れるのは、Ⅰ「文化行政の基盤」の9「企業等による芸術文化活動への支援」、すなわち企業メセナへの言及のみであるという。(4. 文化の理解)

ここから著者は、企業史料協議会創立30周年記念講演として行われた株式会社資生堂名誉会長福原義春氏による「経営者のバイブルとしての企業史料と社史」講演録(同協議会によって冊子化された)を参考に「企業文化」を考察している。著者は福原氏の講演から引き出される企業文化とは「企業内の組織の連帯感、会社の原点、理念、ミッション、記憶、進むべき方向性等を含む会社の風土、雰囲気、行動様式或いは企業のアイデンティティ、存在意義等を総称したもの」(20ページ)であることを述べる。さらに、「企業文化と言うと、企業が提供するオペラやコンサートみたいなものが企業文化だとおっしゃる方があるのですが、そうではなくて、企業が何を感じて、何を目指して、何を蓄積してきたかということが企業文化である、と私は考えています」(21ページ)という福原氏自身の言葉を引いて、文化庁の認識とのズレを指摘する。(5. 企業文化)

著者は福原氏の講演を参考にしながらさらに、「日常的に史料を収集・整理・保存・管理するにはどうすれば良いのだろうか」(21ページ)という問いを立て、そこに企業アーカイブズの必要性を見出している。著者は企業史料協議会が2013年に刊行した『企業アーカイブズの理論と実践』(丸善プラネット)第1章における組織アーカイブズとしての企業アーカイブズ、組織アーカイブズ+収集アーカイブズとしてのビジネスアーカイブズという考え方(と定義)を参照しつつ、「企業文化を体現したアーカイブとは、企業に置ける組織アーカイブだということになる」(21ページ)と指摘する。さらに著者は「企業アーカイブが企業経営にどのような効果をもたらすかを共同で研究」(21ページ)した結果、企業文化を伝える社史は編纂が終わると編纂のために収集された資料はほとんど利用されることもなく「死蔵」されるが、デジタルアーカイブ化し、インターネットを媒介として情報発信にもちいることによってさまざまな効果が期待できるという。だが、それにはひとつの条件が必要となる。つまり筆者によれば、「このデジタルアーカイブの開発のためには、事前に企業アーカイブの存在が必要なのである」(22ページ)。そこから著者は「何をどのようにアーカイブするか」という問題について、前述の福原氏、佐藤正則麗澤大学教授(『社風に応じた企業アーカイブを:歴史資料を現在と将来に活かす』、筆者(松崎)の諸論、また著者のチームによる企業アーカイブ調査に基づいて、「企業アーカイブに何をアーカイブするかというアーカイブの内容に関しては、当該企業のことをよく知っており、資料の価値判断を行い、残すべき資料の選定をする能力を持った人材が必要である。また、アーカイブ化には資料の保存、整理、管理、提供等に関する技術や知識を持った人材が必要である。従って、基本的には社内にアーキビストの能力を持った人材を養成することが重要であると私は考える」(23ページ)と結論づけている。(6. 企業アーカイブ)

以上の考察から、著者は岐阜女子大学における「デジタルアーカイブ教育カリキュラムにも企業アーカイブの観点を導入し、企業アーカイブの開発を担う人材育成につなげることが必要になってきた」(23ページ)ことを導き出している。一方、教育カリキュラムを開発するための企業アーカイブ研究は始まったばかりであり、これを深めることが必要であるとも述べる。(7. まとめと課題)

——————————————————-

【松崎感想】

かねてより岐阜女子大学、また「日本デジタルアーキビスト資格認定機構」によるデジタルアーキビスト養成に関しては、その動向に注目していたのですが、企業における「このデジタルアーカイブの開発のためには、事前に企業アーカイブの存在が必要なのである」という指摘には、心の奥底から共感しました。

一方、企業アーカイブズの構築の具体的なあり方は、業界あるいは個々の企業の事業内容によって変わってくる部分が多々あります。そのような点からすると、効果的な教育プログラム・カリキュラムの開発のためにはさまざまな方面と協力しつつ、研究を深める必要があるわけで、本稿の「まとめと課題」は妥当なものであると思います。今後の前進に大いに期待したいと思いました。

——————————————————-

【本稿へのアクセスについて】

論文受理日は2014年11月20日、と記載されています。

Cinii Articles、J-STAGE、JAIRO等での検索ではヒットしないので、電子化はこれからのようです。国立国会図書館の複写サービスの利用がもっとも手近なアクセス方法ではないでしょうか。

NDL-OPAC
https://ndlopac.ndl.go.jp/F/?func=find-c&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&ccl_term=001%20%3D%20024612841&adjacent=N&x=0&y=0&con_lng=jpn&pds_handle=&pds_handle=

——————————————————-

【その他重要文献】

株式会社資生堂における企業文化事業、企業アーカイブズの考え方を知るには、本稿で資料として用いられた小冊子、福原義春『経営者のバイブルとしての企業史料と社史』(企業史料協議会発行、2012年)に加え、以下の文献が有用です。

資生堂企業文化部編『創ってきたもの伝えてゆくもの : 資生堂文化の一二〇年』(1993年)

NDLサーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002225940-00

NDL-OPAC
https://ndlopac.ndl.go.jp/F/?func=find-c&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&ccl_term=001%20%3D%20000002225940&adjacent=N&x=0&y=0&con_lng=jpn&pds_handle=&pds_handle=

本書では企業文化の二つの要素、すなわち知的蓄積であるところの「知的資産」と感性的蓄積であるところの「感性的資産」に関する考察も行われています。それによると、前者は「歴史を持つ企業には必ず見られるもので、営業から研究開発部門にわたる企業における知的創造活動の歴史的集積─すなわち取引契約書や特許をはじめ、新しい製品技術などのすべてをさす」ものとされ、後者は「五官を用いて五感に訴える企業の感性的創造活動から生まれる歴史的蓄積をさす。代表例はポスターやパッケージ制作などの宣伝広告活動によるクリエーティブワークである。もちろん視覚に訴えるばかりがすべてではない。聴覚に訴えるCM音楽、味覚に訴える料理なども、感性的資産とみなしてよいだろう。」(17ページ)

1993年段階で企業アーカイブズ(という言葉を使ってはいませんが)の価値と重要性を的確に認識し、これを管理する社内部門=企業文化部(1990年設置)を立ち上げていたことに驚嘆せずにはいられません。同書には、海外企業におけるアーカイブズの重要な役割に関する説明もみられ(19ページ、354ページ)、同社が企業文化活動に関して広く高くアンテナを張って、取り組んできたことがよく理解できます。

2015-12-17 15.27.20

帝国データバンク史料館編集・発行『別冊Muse2015』 「記憶と記録:紡ぐ、結ぶ、伝える」目次

25 月曜日 1月 2016

Posted by archivesstudio in Uncategorized

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帝国データバンク史料館編集による『別冊Muse2015』が刊行されました(B5判、202頁、2015年12月28日刊行)。

http://www.tdb-muse.jp/info/2016/01/muse2015.html

テーマは「記憶と記録:紡ぐ、結ぶ、伝える」。目次は下記の通りです。

【目次】

■はじめに■

■巻頭特別取材■

 

◇近くて遠い島、「樺太」から「サハリン」を訪ねて
「残された資料を集めて守り、伝えて役立てる
日本統治時代の”カラフト”アーカイブズ

国立サハリン州公文書館 館長 ラリーサ・ドラグノーワ
×
帝国データバンク史料館 館長 高津隆

敗戦時、1週間続いた文書資料の大量焼却
接収資料には王子製紙関係や一部、警察文書も

語り続けてこそ、やがて分かる記憶の価値
手書きメモや手紙は必ず残して保管

歴史が人から人へ受け継がれてきたサハリン
だからこそ歴史を保存することが何よりも重要

◇極東サハリンに刻まれた時代の記憶、誰に託して、伝えるか
:4つの国を生き抜いた、ある離散家族の記録

サハリン残留コリアン一世 趙応奎(チョウ・ウンギュ)

3歳で樺太に移住、家族8人の大所帯に
戦時下、東京に移った長兄と叔父は消息不明

ソ連軍が上陸、戦闘で町は焼け、養狐業も消滅
次兄はからくも樺太脱出、戦後41年目の母子再会

“元”日本人に厳しい監視の目、母は無国籍のまま
学歴で決まったソ連の仕事、25歳で通信制の大学へ

30歳、大学卒業後は国営の建築設計会社へ、建築部長で定年
ペレストロイカ、党員歴なくとも国営企業の支社長に再就職

人生80年、いちばんの苦労は安定したロシア人になるまで
再び家族離散? 残留一世の老後はサハリンから韓国へ

いまも忘れぬ日本語、ロシア文学を日本語訳で読む毎日
孫まで伝わらない記憶と思い、年齢差よりも時代の違い

家族の写真さえ飾れなかったソ連時代の経験
いまも語り継ぐこと、記録を残すことに抵抗

■クローズアップ■

◇ひめゆり学徒隊と沖縄戦:その記憶と体験を語り継ぐ重たい使命

公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団
ひめゆり平和祈念資料館
館長 島袋淑子
副館長 普天間朝佳
説明員 仲田晃子
×
高津隆

あの日、艦砲射撃が始まる直前まで
普通の暮らしのあった”ひめゆり”たち

資料館で語り始めた元ひめゆり学徒
伝える気持ちはあっても、言葉にならないことも

“沖縄の痛み”とともに戦後を生きる
生身の戦争体験、その”思い”を次世代に託す

いち早く”次世代プロジェクト”に取り組む
非体験者が引き継ぐ”ひめゆりの心と思い”

若い世代が受け継ぎ、伝える記憶と記録
子どもの頃から身近にあった戦争の話題

どんなに伝えたいことがあっても、
ひとりよがりでは決して伝わらない

資料がなければ、その事実はなかったことになる
しかし、証言者のリアルな話を通して分かることもある

“モノ”と”ひと”が揃ってこその資料館
その場が存在し続けることの価値と意味

◇語り継ぐ《満蒙開拓》の歴史
:資料を集めて、証言を記録、不都合な史実も伝える

一般社団法人満蒙開拓平和記念館 専務理事 寺沢秀文
×
高津隆

国策・満蒙開拓、全国から約27万人が渡満
長野は全国最多の開拓民を送出、県内は飯田・下伊那が最多

満蒙開拓に特化した平和記念館の建設
完成まで約8年、強い思いに支えられて

資料、記録、証言映像を多数収集、展示
「満蒙開拓とは何だったのか」を考える

「不都合な史実」ゆえに
正面から向き合おうとしなかった満蒙開拓

満蒙開拓の事実に迫り、「パンドラの箱」を開ける
歴史に最後まで向き合う覚悟が必要

知るべきを知り、学ぶべきを学ぶ
「おかしい」と思う感性、想像力の大切さ

資料を残し、記憶を伝えて、後に続く人を育てる
負の遺産を正の遺産に転換することを願って

満蒙開拓と平和、身近な言葉で紡いでいく
学校教育だけでなく、親子の会話の中でも

◇被爆体験者”伝承者”、記憶を語り継ぐ役割とその責任
アクションを起こすきっかけをつくる、それが私の使命

「被爆体験伝承者」養成事業第1期生 保田麻友
×
フリーライター 藤田憲子

3年間かけて伝承者を養成する
被爆者の体験を継承する、広島市の取り組み

身内だけでなく身近に多くの被爆者がいる広島
ここで学べるものはたくさんある

被爆体験や講和を引き継ぐことだけが
伝承者に課せられた課題ではない

戦争を経験しない者が戦争を伝えていく難しさ

証言者が退場したとき、真価を問われる伝承者
子どもだけでなく、自分の同世代にも伝えたい

伝承者として為すべきことを模索し続ける日々

問題解決に向けて、全国の伝承者と連携していく

■異色対論■

◇記憶と記録を受け継ぎ、”あの日、あのとき”を伝える
私たちが”戦争とアーカイブズ”に向き合う理由(わけ)

株式会社データ・キーピング・サービス 常務執行役員 渡邊健
×
公益財団法人政治経済研究所付属東京大空襲・
戦災資料センター 主任研究員 山本唯人

戦争体験を繋ぐ役割を負った我々の世代
あの日あのときを知らないからこそ

阪神大震災、東日本大震災、
戦争を考える大きなきっかけになった

開かれた社会とのコミュニケーションに果たす
アーカイブズの可能性

異質な存在としての市民目線で考えるアーカイブズ

「戦争とアーカイブズ」という思想の否定
公文書の世界は戦争のテーマに背を向けてきた

民間だからこそできる社会への発信
博物館・アーカイブズの可能性

記憶の伝承、”語るべき”論の難しさ
文字化された記録は多く、問題はそれを受け止めること

受け手にどう共感してもらうか、その感性をどう育むか
教育の現場としてのアーカイブズ

日本ではまだ理解されないアーカイブズの役割
弱いアーカイブズからのメッセージ発信

高齢化の進む語り部たちの背後で
代わって語る役割を引き受ける若者の存在

歴史、時代、個人的体験をどう記録し、伝えていくか
結論の提示でなく、思考のプロセスをサポートする

◇~父から娘への伝言~
父の生きたあの時代、私が生きるこの時代
:世代を越えて語り継ぐ、仕事のこと、家族のこと

ゴルフダイジェスト社 主幹 中村信隆
×
小学館 児童・学習編集局『幼稚園』編集部 野田真菜

自立目指しても保護される、父と娘の関係性
父の背中を見て、娘は、早く大人になろう

子ども向けの会話なく、いきなり「俺の時代は…」
反発するしかなかった娘、暴れる心が原動力に

珍しく話の合う父娘、雑誌の編集は面白い
しかし、本をつくりたいなら、まず本を壊せ

どれだけ執念を持ち、徹底して考え続けるか
『WASIMO』、親子を近づける絶妙の崩れたバランス

本はその人の精神の歴史だ、ということ
気付きの数がキャリア、30代のベテランはいる

情緒を自分の中に確立し、ひとり、幸せの局面を味わう
父と娘が感応し合う瞬間、少ないからこそ実感できる

◇~作品を見る、著作で語る~
記憶に迫り、記録と資料をどう読み解くか

作家、前東京都知事 猪瀬直樹
×
フリージャーナリスト 岩瀬達哉

新国立競技場とエンブレム、その曖昧な事案処理、
『昭和16年夏の敗戦』のときと全く変わっていない

昭和16年、開戦前には分かっていた敗戦
理性で導かれた客観データ、資料による結論を無視

93歳、元企画院総裁、A級戦犯に直接取材
強烈な記憶は消えず、リアルな歴史証言に迫る

『ドキュメント パナソニック人事抗争史』
都合の良い条件を捻り出し、都合の良い結果を期待

先見性に富んだ戦略、画期的なイノベーション
しかし感情が理性を追いやれば、経営は危うくなる

東京オリンピック・パラリンピック招致、
情報を徹底的に収集、共有し、戦略を練り上げる

『東條英機 処刑の日:アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』
戦後日本の再軍備、記録資料からひも解くエピソード

『戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす』
1年間、ディズニーランドで過ごしてきた日本人

SNS時代を考える象徴的な出来事
『救出 3・11気仙沼 公民館に取り残された446人』

歴史認識を深め、歴史に自分を重ねる発想がない
観察者は外から見るが、当事者は内からの記憶を書き留める

■特別論稿■

◇クリオはいかにして戦争を伝えるか?
:ボスニアの戦後20周年を記念して

東洋英和女学院大学 専任講師 町田小織

プロローグ
1 当事者もしくは外交官の声
2 観察者もしくは外国人の声
3 記憶、メディア、歴史
3-1 記憶:文学が伝える旧ユーゴスラヴィア諸国の過去
3-2 メディア:旧ユーゴスラヴィア内戦・紛争を伝える映像
3-3 歴史:旧ユーゴスラヴィア諸国の歴史教育
エピローグ

◇記憶の声、記録の音:声の継承、音の保存

学習院大学大学院人文科学研究科
アーカイブズ学専攻博士後期課程在籍 宇野淳子

はじめに:ことばとして思いを受け取る
思いを込めた記録にふれる:時を超えた声の記録
日々の「思い」を音声で記録する:思いをつなげる最初のステップとは?
録音
整理・保管
反訳(文字化)
残された「思い」を活かす:音声記録の活用の可能性
おわりに:あなたの思いも、未来に伝わる

■Talk Session 白熱メッセージ■
記憶から記録へ:訊ねて、聴いて、紡いで、残して、伝えること

企業史料協議会理事、元花王ミュージアム・資料室長 上田和夫
企業文書館学芸員、アーキビスト 中臺綾子
公立博物館学芸員、アーキビスト 佐藤正三郎
公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター 松崎裕子

アーカイブズへの通り道
父親の記憶、老舗の記録、日本史研究から

記憶を語れば、記録と資料が残る
記録を消せば、全てが消える

沖縄・伊江島、”記録の人”が集めて、残した資料
書き込みぎっしり、重たい思いの詰まる手稿文書に

戦時の記録、祖母の記憶があってこそ
オーラルヒストリーは聞き手と一緒につくられる

公文書にはない”生の声”を聞く
聞き書きすれば、生きた記録ができる

オーラルヒストリーを歴史資料とするために
第三者が検証可能な生データの保存も必要

積極的に資料を作るアーキビストとしての仕事
足りない記録をオーラルヒストリーが補完する

オーラルヒストリーで全てを語ることの限界
語る人、聞く人がいて、アーキビストが情報化する

やがて消える記録を継承することの難しさ
時代の中で変容する日常性、どう伝え、残すのか

原体験を持つ人、持たない人、落差は歴然
繰り返し、記録を見返すことが必要

直接的体験、不在の時代を生きるには
大文字の歴史に個人の歴史を重ねて感じる

録音・録画、技術の進化が記録化を進める
技術に頼り過ぎて、記録化への姿勢は安易に

寺子屋講座で町の仕事人の言葉を伝える
資料化されず、埋もれた録音、録画の記録

家族の記録をひも解く、身近なアーカイブズ
会社史の原資料、一般公開には高いハードル

音声、映像記録はリアルな生資料
確実性の高い”書き起こし”、情報整理と資料管理がカギ

■Muse Special Guest 小谷充志さん■
記憶が消えても、記録は残る:この道4半世紀、思えば遠くに来たものだ

株式会社出版文化社アーカイブズ研究所所長、
記録管理学会元会長 小谷充志さん

大連生まれの青島育ち、8月15日は再び大連で
終戦でガラリと変わった環境

「母はたいしたものだ」、後になって知る母の恩
引き揚げて、たどり着いた神戸も港町

少年時代、身近にあった活字、読書に親しむ
やがて映画にはまり、音楽、美術、古都巡りへ

OA企業のビジネスマンに
経験重ね、人生を変えた異動

記録管理、レコードマネジメントの世界へ
渡米して知った彼我の大差に衝撃受ける

記録管理の世界大会で自ら発表
アーカイブズ分野とも深い親交

記録管理とアーカイブズを繋ぐために
現用、非現用のブリッジを強化

記録管理、アーカイブズの発展を阻害する要因
“今”中心主義、無責任体質、不合理な意思決定過程

電子時代の記録管理はさらに困難、多い課題
情報はどこに? 全てをハイブリッドで管理

後に続く人たちへの伝言
原点にさかのぼり、目的、理念を忘れず、広い視野を!

■編集後記■

———————————

入手ご希望の方は、電話(03-5919-9600)かメール(shiryokan@tdb.co.jp)にて帝国データバンク史料館までお問合せください。

———————————
わたくしは今号では座談会と巻末インタビューに参加させていただきました。よろしければご一読ください。
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