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学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻研究の年報『GCAS Report』最新号(Vol.5、2016年2月28日発行)の目次をご紹介します。

http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/arch/02gcas-report.html

【書誌情報】
学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻 編. GCAS report =. 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻, 2012- 冊 ; ISSN 2186-8778

【アクセス】
・所蔵大学図書館
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12568178

・所蔵公共図書館・・・公共図書館での所蔵はないようです(カーリルで検索結果)

・国立国会図書館
https://ndlopac.ndl.go.jp/F/?func=find-c&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&ccl_term=001%20%3D%20023403525&adjacent=N&x=0&y=0&con_lng=jpn&pds_handle=&pds_handle=

・学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻ウェブサイトにはVol.3まで掲載(2016年5月15日現在)
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/arch/02gcas-report.html

・学習院大学学術成果リポジトリにもVol.3まで登録あり(2016年5月15日現在)
http://glim-re.glim.gakushuin.ac.jp/handle/10959/3727

・ウェブサイトによるとVol.4までは有償で頒布中のもよう

・要問合せです
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/arch/02gcas-report.html

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【目次】

[講演]

松岡資明「より良き社会のために:「記録」が物語るもの」

白岩洋子「記録を残すために:写真資料保存修復の基礎」

[研究ノート]

大木悠祐「記録管理におけるレコードキーパーの機能と役割に関する一考察:オーストラリアの州公的記録法の事例から」

倉方慶明「アーカイブズ・マネジメント試論:業務の数値化を中心に」

[書評]

田中智子
菅真城『大学アーカイブズの世界』

川田恭子
安藤正人・久保享・吉田裕編『歴史学が問う公文書の管理と情報公開:特定秘密保護法下の課題』/
北海道新聞社編『特定秘密保護法を読む:全条文 反対声明・意見書』

藤村涼子
中野目徹『公文書管理法とアーカイブズ:史料としての公文書』

千代田裕子
三井文庫編『史料が語る三井のあゆみ:越後屋から三井財閥』/
企業史料協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』

難波秋音
国立民族学博物館監修『渋沢敬三没後50年 屋根裏部屋の博物館 ATTIC MUSEUM』

高野彩香
石田佐恵子・村田麻里子・山中千恵編著『ポピュラー文化ミュージアム:文化の収集・共有・消費』

千葉功
佐藤元英・武山眞行・服部龍二編著『日本外交のアーカイブズ学的研究』

[報告]

齋藤歩
米国アーキビスト協会ワークショップ(2015)
「建築レコード:設計と施工の記録群を管理する方法」参加記

薬袋未夏
ICAが考えるアーカイブズとは──
『情報社会におけるアーカイブズ、記憶、そして民主主義』の紹介

青木祐一
ブラジル・サンパウロ人文科学研究所資料調査・中間報告

[コラム]

高埜利彦「青空のソウル訪問」

[彙報]

 

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これまで15年にわたり、取材・執筆活動を通してアーカイブズに関する問題提起と啓発に広く鋭く努めてこられた松岡資明先生(2015年7月~学習院大学客員教授)の講演録から2か所、重要であると感じた部分を引用しておきます。

「これは私が以前から感じていたことであるが、日本では『情報』と言うとすぐに思い浮かべるのはフローの情報で、ストックの情報に思い至る人が少ない。・・・(中略)・・・物事には原因があって結果があるのであって、何事も過去の経緯を知らずに取り掛かっても適切な対応ができない。例えば、日本の外交政策でしばしば、指摘されるのは『後手に回った』という批判だ。情報収集をする際、過去の経緯を十分に知ったうえで行うのと、そうでない場合では結果に大きな差が出る。当たり前の話ではないだろうか。」(9ページ)

「私は、アーカイブズがより良い社会、精神的に豊かな社会を目指すのに資するものではないかと考える。飛躍があるように聞こえるかもしれないが、アーカイブズとは『ひとの行(おこな)い』を記録として残し、『行い』に至った経緯を明らかにすることによって、新たな『行い』に生かす、ことではないだろうか。むろん、使い方によって良くも悪くもなる。そして必ず、『行い』の裏には『ひと』がいる。」(18ページ)

 

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最新号には企業アーカイブズに密接に関わる記事が何本か掲載されています。千代田裕子氏による三井文庫編『史料が語る三井のあゆみ:越後屋から三井財閥』と企業史料協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』の書評、高野彩香氏による『ポピュラー文化ミュージアム:文化の収集・共有・消費』の書評、そして齋藤歩氏によるSAAワークショップ「建築レコード:設計と施工の記録群を管理する方法」(2015年)の参加記です。

千代田氏の書評では企業史料協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』に関して以下のような課題が指摘されています。今後のBAAの活動のためにも参考とすべき点です。(91~92ページ)

・実践編で示される事例が大企業ばかりである。中小・中堅企業の事例が望まれる。

・「なぜ企業にアーカイブズが必要なのか」という点で説得力が弱い。

・「従来、レコードマネジメントの導入において提唱されてきた見解の繰り返しにならぬような理論が必要」

・B to C ばかりでなく、B to B 企業の事例の紹介が望まれる。

高野氏が書評している『ポピュラー文化ミュージアム:文化の収集・共有・消費』第5章「化粧品のミュージアム」(著者・谷本奈穂)は花王ミュージアムを化粧品のミュージアムとして取り上げています。この部分に関する書評者高野氏のコメントは、谷本氏が論じる「来館者に寄り添った展示」に関して更に深く議論できたのではないか、という点と、企業や産業の負の側面を展示に加えることの是非について言及してほしかった、と述べています。非常に重要な点で、今後この分野の研究を期待します。

齋藤氏の報告は、GCAS Report前号(Vol.4)に掲載された同氏の報告「日本建築学会によるレコード・サーヴェイを分析する:アーカイブズ学の観点から」と併せて、建設関係業界、設計業界におけるアーカイブズ管理にさまざまな示唆を与えるものでしょう。

(参考)
齋藤 歩.   日本建築学会によるレコード・サーヴェイを分析する : アーカイブズ学の観点から.  GCAS report = 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻研究年報 / 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻 編.. (4):2015. 108-115 ISSN 2186-8778

http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/arch/02gcas-report.html

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2015-05-20 15.32.25