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辻川敦「地域文書館論」(『「地域歴史遺産」の可能性』所収)を読んで

21 火曜日 1月 2014

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神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター編『「地域歴史遺産」の可能性』(岩田書院、2013年)の続きです。

同書所収の「地域文書館論」(辻川敦)もまた、企業アーカイブズ・アーキビストを考える上で参考になる論考でした。

ポイントは2つです。

(1)アーカイブズが社会的認知を受けるために展開されてきた「展示」や「講座」主体の文書館啓蒙普及運動に対して、「まず論じなければならないのは、既存の文書館事業が本当の意味で社会が必要とする公的サービスを十分提供できているのかどうか、必要とされるサービスを提供する努力や、そのために施設やスタッフには何が求められるのかといったことが、本当の意味で厳しく問われ実践されてきたのかどうか、という点ではないだろうか」(同書、386ページ)

(2)辻川氏が館長を務める尼崎市立地域研究史料館はレファレンス・サービスを事業の中心に位置付けています。このサービスを担当する人に求められるのが「文書館学一般への知識・理解とともに、その地域固有の歴史や地域課題、ならびに史料への幅広い知識と理解にもとづく調査・整理・公開能力である」(同書、397ページ)と言います。同じ個所で「市民サービスへの献身的な意識・意欲」といった点の必要性にもふれられています。

企業アーカイブズで求められる人材に関して、現場の方々のお話をうかがうと単に記録資料の専門家であることより、むしろ会社の歴史や社内事情、現在の方針や戦略といったものをよく理解していることが大切である、とうかがうことが多々あります。地域の文書館が必要とする人材と、企業の必要とする人材には、あるレベルでは共通するものがあると考えられます。

 

社史編纂と自治体史編纂の共通の課題を考える─『「地域歴史遺産」の可能性』(岩田書院、2013年)

20 月曜日 1月 2014

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神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター編『「地域歴史遺産」の可能性』(岩田書院、2013年)を読んでいます。

目次はこちら。 http://www.iwata-shoin.co.jp/bookdata/ISBN978-4-87294-816-5.htm

「自治体史は専門の研究者と一般の人々との接点となるものである。しかし、その自治体史が、一般の読者にほとんど読まれていないという指摘が以前からしばしばなされている。読まれない理由としては、大部であることや内容が専門的で難解なものになってしまっていることなどが挙げられる。これに対し、近年では自治体史を親しみやすいものにするさまざまな試みもなされている。・・・」(同書105ページ)

これはなんともなじみ深い響きがあります。「自治体史」を「社史」に代えると、そのまま社史・企業史料関係者の文章としてもまったく違和感のない文章です。

アドホックな社史編纂業務から恒常的なアーカイブズ機能の構築へ、というのは企業だけでなく自治体やその他の団体に共通するテーマですね。

本書は序章、終章を含めると全体では3部構成、全23章、5つのコラムからなります。その中で企業アーカイブズに通じる問題を論じているのは、

第Ⅰ部 第4章     自治体史編纂事業の役割を考える     村井 良介
第Ⅱ部 第6章     地域における伝統企業の史料と活用  石川 道子
第Ⅲ部 第1章     「在野のアーキビスト」論と地域歴史遺産     大国 正美
[コラム] 自治体史編さんの果実と「その後」  印藤 昭一

あたりです。

これまでずっと、「草の根文書館」や「在野のアーキビスト論」というのは、市民運動などの記録とその保存・活用に関わるもので、企業アーカイブズとは関係ない、と思っていました。しかし、「アーキビスト専門職確立すべし」という最近の議論は人事・採用・雇用・賃金慣行からすると、日本の企業アーカイブズの議論としてそのまま受け入れることが難しいものです。そのような観点から「在野のアーキビスト論」を眺めてみると、企業アーカイブズ・アーキビストに関わる議論と案外交わるところがあるのを発見し、驚いたのでした。

フランス国立古文書学校 L’École nationale des chartes

20 月曜日 1月 2014

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ENC

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以下の文章は、講演者の大沼太兵衛さんから頂戴したコメントを補足して修正した文章です。大沼さんのコメントは、この文章の後に続きます。(1/25付記)

******

フランス国立古文書学校に研究留学された日本国立国会図書館の大沼太兵衛さんの講演「フランス国立古文書学校に研究留学して」 を聴きに行きました。(2014年1月18日、東京・日仏会館)

主催は日仏図書館情報学会。

配布用パンフレット(PDF)
 http://www.sfjbd.sakura.ne.jp/03_main/sub/pdf/oonuma.pdf

最初に大沼氏の自己紹介がありました。2006年から国立国会図書館職員、2011年から2013年まで在外研究としてフランスへ研究留学。

フランス国立古文書学校(École nationale des chartes: ENC)は通常の大学とは異なるグランデコール(複数だとグランゼコール)という一群の学校のひとつだそうです。大学にはバカロレアをとれば入学することができますが、グランデコールはたいへん厳しい競争で選ばれた人たちだけが入学を許されるということです。

フランス国立古文書学校の場合は、現在ジャン・ミシェル・ル二オー校長以下、学生が150人余り、教授13人が在籍。卒業後は半分は図書館、1/4がアーカイブズ、その他がミュージアム、研究者への道を進みます。

現在の学校は1987年10月8日の政令n’87-832第3条に基づいて運営されています。

ENCの修士課程の1年次には「アーカイブ、図書館、美術史」の3つのコースがあります。(なお、本科であるArchiviste-paleographeにはそのような区分はなく、入学試験時にA、Bの2カテゴリーを選択しますが、前者は特に「歴史と古い言語」を専門とする学生、後者はもう少し多様な関心を持つ学生が対象で、試験の内容が異なるということです。)

資料を扱うための学問的教育に特化しており、実務教育は全く行わないため、卒業後ENSSIB、INPに進学して実務を学ぶ卒業生も存在します。ENCを卒業して、ENSSIBやINPといった学校に進み、それらを修了すると、コンセルヴァトゥール資格を授与されます。これはアーカイブズ、図書館、博物館等の館長など上の方の役職に就くための高級専門資格ということです。

面白いのは、グランデコールは学位授与機関ではないため、ENCに通いつつ、普通の大学にも通って学位取得する人が多いという点です。

そもそもはフランス革命で没収した貴族・教会財産に含まれる文書資料の整理・解読の専門家養成のため、また19世紀前半における「中世」の再評価・ロマン主義的な動きの中から学校設立の機運が生じたということでした。基本的には図書館ではなく、アーカイブズに関する学校であり、かつ学問的な中心に位置するのがフランス中世研究のための資料整理・読解の専門家養成であるらしいことがわかりました。

詳しいことは学会誌『日仏図書館情報研究』に今後掲載されることと思います。

————————–

講演会終了後、日本のアーカイブズ関係者の方々と情報交換しました。欧州とアメリカでは、アーカイブズ・現用記録の管理に対する考え方にかなり違いがあるのではないか、という点が議論となりました。米国ではアーキビスト、レコードマネジャーが専門職として独立するためでもあったのだと思いますが、現用記録管理とアーカイブズ管理が画然と分かれています。一方、欧州ではアーカイブズが現用記録の管理までを守備範囲とすることにさほどの違和感はないようです。実際にサンゴバン社アーカイブズなどの企業では、アーカイブズの専門家が現用記録管理システムを立ち上げた例があることを、同社アーカイブズに関する論文を翻訳してくださった平野泉さんが指摘してくださいました。

サンゴバン社アーカイブズに関する論文は、『世界のビジネス・アーカイブズ』(2012年、日外アソシエーツ社)に収録されています。

『アーカイブズ学研究』 No.19 目次

19 木曜日 12月 2013

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『アーカイブズ学研究』, JSAS

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発行日:2013年11月30日

小特集 2013年度大会企画研究会〈放射線データアーカイブズの構築に向けて〉

研究小委員会 「開催趣旨」

伊藤好孝 「福島放射線測定データとメタデータベース作り」

松尾美里 「科学資料をめぐるアーカイバルプラクティス:概要の紹介」

松本 保 「国立国会図書館における東日本大震災アーカイブ構築の取組」

論文

ノーマン・ジェイムズ(森本祥子訳) 「イギリスにおける民間アーカイブズ:その保存へのとりくみ」

書評

桑尾光太郎 平井孝典『公文書管理と情報アクセス:国立大学法人小樽商科大学の「緑丘アーカイブズ」』

古賀 崇 江上敏哲『本棚の中のニッポン:海外の日本図書館と日本研究』

宮間純一 箱石 大『戊辰戦争の史料学』

紹介

酒井麻子 神奈川県立公文書館編『陸前高田市被災公文書レスキュー報告書 2011-2012』

     国立公文書館編『被災公文書等修復マニュアル』

2012年度日本アーカイブズ学会登録アーキビスト認定者の声

柴田知彰 「登録アーキビスト資格の誕生と課題」

小根山美鈴 「『日本アーカイブズ学会登録アーキビスト』で思うこと」

会告

日本アーカイブズ学会登録アーキビストに関する規定/同細則/同申請要項

日本アーカイブズ学会プライバシーポリシー

2014年度大会のご案内

投稿規程/執筆要項/会則

———————————————————–

日本アーカイブズ学会HPには『アーカイブズ学研究』19号目次はこれから掲載のようです。

日本アーカイブズ学会HP http://www.jsas.info/

東アジアアーカイブズ共同研究会主催セミナー「銀行アーカイブズの現状と課題」

08 日曜日 12月 2013

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Archon, BAC, bank, banking, EABH, 銀行, HSBC, ICA, NRA, SAA, TNA

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昨日(2013年12月7日)、東アジアアーカイブズ共同研究会主催セミナー「銀行アーカイブズの現状と課題」でお話させていただきました。

私のテーマは「海外における銀行アーカイブズ概観」です。最初にお話が来たときは、「海外の銀行アーカイブズについて話を」ということでした。「なぜ銀行アーカイブズ?」と思いつつ、海外の銀行アーカイブズの機関情報・資料情報といったリソースについてお話しいたしました。あくまでoverview、「概観」です。

当日の配布資料を掲載します。

20131207海外における銀行アーカイブズ概観(松崎)
【別紙①】ICAディレクトリからみた銀行アーカイブズ
【別紙②】欧州銀行・金融史協会(EABH)会員
【別紙③】HSBCアーカイブズ変遷図

このほかに【別紙④】を配布しました。これはHSBCアーカイブズの利用条件に関する文書で、下記URLからダウンロードしたものです。
Conditions of access (下記ページの真ん中あたりにあります)
http://www.hsbc.com/about-hsbc/history/hsbc-s-archives

ICAメンバーディレクトリからみた銀行アーカイブズをgoogle mapで表現してみたのは、こちらです。
https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=z9zFQRtOpRgc.ksm_ClIErhw

配布資料に記載をいたしませんでしたが、英国国立公文書館(TNA)のNational Register of Archives (NRA)に討論の中で言及しました。記録資料の所在情報に関するたいへん優れたデータベースだと思います。
http://www.nationalarchives.gov.uk/nra/aboutapps/nra/about.htm

NRAに関してはTNAのNRA担当者Dr Norman Jamesによる論文 Private Archives in the United Kingdom を森本祥子さんが翻訳されております(日本語タイトル「イギリスにおける民間アーカイブズ:その保存へのとりくみ」)。間もなくパブリッシュされるとうかがっております。

またICASBLの運営委員であるAlison Turtonが編纂に関わった書籍(Business Archives Councilの叢書の一冊) British Banking: A Guide to Historical Records, Ashgate, 2000 はイギリスの銀行関係記録資料の所在と概要を記したガイドです。663ページに及ぶ記録資料所在情報の組織化に圧倒されます。(セミナー会場で参加者に手にとってご覧になっていただきました)

会場にはARMAインターナショナル東京支部理事の渡邊健さんも参加してくださいました。ながらく銀行に勤務されたご自身の経験に基づくお話はたいへん参考になりました。例えば、銀行における現用記録管理はしっかりしている点、日本のメガバンクは過去20年あまり合併・統合を繰り返し、歴史遺産をアイデンティテイ構築やブランディングに活用することが困難である点、さらにHSBC等はグローバルレベルで競争優位性を争っているが、日本のメガバンクはもう少しローカルな存在であるという点、などです。渡邊さんがご自身のブログで本セミナーについて取り上げておられます。

渡邊健さんのブログ
http://ameblo.jp/tsuyoshiwatanabe/entry-11721754154.html

2013/12/7 「海外における銀行アーカイブズ概観」

04 水曜日 12月 2013

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12-7セミナーポスター

12-7セミナーポスター(PDF)

第3回 東アジアアーカイブズ共同研究会主催セミナー

「銀行アーカイブズの現状と課題」

日時:平成25年12月7日(土)15:30~17:00

会場:麗澤大学東京研究センター
        新宿アイランドタワー4F   4104号室

言語:日本語

申込み:不要

報告者:

①佐藤政則 麗澤大学大学院経済学研究科 教授
「利用者から観た日銀アーカイブ」

②松崎裕子 公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
「海外における銀行アーカイブズ概観」

コメンテーター:佐久間 健 国立公文書館アジア歴史資料センター研究員

司 会:蓮沼素子 学習院大学人文科学研究科アーカイブズ学専攻 博士後期課程

主 催:
東アジアアーカイブズ共同研究会
(公益財団法人りそなアジア・オセアニア財団平成24年度共同研究プロジェクト助成)

共 催:麗澤大学
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