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Title: The Archives of Small Business
Category: Research Article
Journal: American Archivist
Issue: Volume 12, Number 1 / January 1949
Author: Thomas D. Clark
著者はケンタッキー大学歴史学部所属。この論文は1947年12月27日オハイオ州クリーブランドでアメリカ歴史協会(AHA)とSAAが共催した集会での報告。
中小企業(原文ではsmall businessですが、日本語としては「中小企業」が一般的なのでここではこちらを用います)は、人々の日常生活と密接にかかわるもので歴史(アメリカ史)にとって重要であるにも関わらず、これまでそれほど研究されてきていない。中小企業の記録自体の保存も行われてこなかった。中小企業の記録、そしてその歴史とは、経済的な領域ばかりでなく、社会的、政治的領域の研究に不可欠である。さらに中小企業の研究は、産業全体、あるいは大企業研究にも寄与する。
中小企業の記録によって究明が進むであろう分野・テーマ・産業として、農業不安、物価、信用取引、賃金、卸売業者、アヘン・アヘンチンキ・モルヒネといった問題のある医薬品、食品に関わる習慣、木材伐採・製材業、繊維業、包装業、鉱山業・・・を上げ、それらの分野における記録の収集保存利用が憂うべき状況であることを指摘します。
個別の産業や研究テーマに関わる記録保存の低調さに加え、中小企業が大企業に吸収合併されることも記録保存にはマイナスに働いています。
このように、著者は歴史学者の立場から、歴史研究のために、ライブラリアンや企業人と協力しつつ中小企業の記録資料保存に積極的に取り組まねばならないこと、その必要性・緊急性をこの論文で訴えています。