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大磯町郷土資料館「年報」入手方法について

18 火曜日 11月 2014

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大磯町郷土資料館「年報」は、一般に有償販売しているものではなく、関係者に無償配布しているものとのことです。

ご希望の方は下記までご連絡をお願いします。

[宛先]大磯町郷土資料館学芸員・富田さん
TEL:0463-61-4700
FAX:0463-61-4660
MAIL:kyodo-han5★town.oiso.kanagawa.jp
※メールアドレスの★を@に変えてください。

2014-04-16 09.40.25

富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(G)の考え方の応用:大磯町郷土資料館における整理方法を検討して」(2014年)

17 月曜日 11月 2014

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博物館が所蔵する文献資料の整理方法に、アーカイブズ学における記述標準ISAD(G)を適用することを検討した論稿をご紹介します。

富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(G)の考え方の応用:大磯町郷土資料館における整理方法を検討して」(2014年)

[書誌情報]

著者:富田 三紗子(とみた みさこ)

タイトル:博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(G)の考え方の応用:大磯町郷土資料館における整理方法を検討して

掲載誌名:年報[大磯町郷土資料館]

巻号:平成25年度

発行者:大磯町郷土資料館

掲載ページ:44‐51

[目次]

1. はじめに

2. 当館開館前から平成24年度までの文献資料の整理

3. ISAD(G)の考え方による今後の整理方法の検討

4. おわりに

**********************

本稿は、「はじめに」で、博物館資料論における博物館資料の整理・分類は、それぞれの研究領域での、資料の特性とその背景にある個別学問の資料論に対応して確立していくとされていることを指摘しています。このような博物館資料論によれば、文献資料の整理にあたっては、すでのその整理の方法が確立しているアーカイブズ学の方法が参考になると考えられます。そして、本稿ではアーカイブズ学における記録資料記述の標準である、ISAD(G)=General International Standard Archival Descriptionを用いて、著者が働く大磯町郷土資料館所蔵の文献資料を整理する方法が示されています。

(この試みの背景にあるのは、収蔵庫の収蔵率が100%近くに達し、抜本的に収蔵資料を整理することが求められているためであると記されています。)

著者は”文献資料”に関し、「博物館において収集、保管、展示、調査研究の対象とする資料を博物館資料とし、その博物館資料の内、歴史分野において活用される資料を歴史資料、 歴史資料の内、文字によって記録されている資料を文献資料とする」と定義します。また”文献資料”は、「アーカイブズ学における、アーカイブズ=記録史料とほぼ同義とする」、”記録史料の記述”とは「記録史料を管理し、参照を容易にするために、検索手段の手がかりとなるように記録史料の情報を書き記すという、アーカイブズ学の用語である」と説明したうえで、議論を始めています。

次に、本稿は、現在同館が所蔵している文献資料状況をたどり、平成2年に開始された町史編さんによる整理が行われたものと、それ以後に取得した未整理のものが混在している状況であることを確認し、以後具体的に所蔵文献資料へのISAD(G)の適用方法を検討しています。そして、資料の階層構造(フォンド、シリーズ、ファイル、アイテム)ごとに情報を記述していく「マルチレベル記述規則」であるISAD(G)を同館所蔵資料整理に適用するにあたっては、ユーザーへの迅速な提供のために、フォンドとアイテム・レベル記述を優先するという方針で作業することにしたといいます。

本稿の意義は、地域の博物館が抱える問題に対する、ひとつの解決策を示している点にあります。以下、長くなりますが原文を引用します。

「基礎的自治体が設置する地域博物館は、だいたいが小規模館であり、専門職の学芸員が配置されたとしても、各研究分野に1人確保できればいい方で、文献資料を扱うことができる担当者が複数配置されることはまず想定し難い。また、その1人の担当者が退職するときに、後任者への引継ぎを考慮して、ある程度の期間を重複して雇用することも、日本においてはあまり配慮されていない。すなわち、1人の担当者が退職するまで長年にわたって一つの業務を抱え、その者が退職した瞬間、長年の蓄積がなくなるという現実がある。業務の継続性を考えたとき、担当者が得た情報を記録化することがまず重要だが、地域博物館では今までこの点を考慮することがほとんどなかった。ISAD(G)の考え方に基づく資料調書は項目が多く、記述が困難であることが指摘されることもあるが、実際には、それらの項目はいずれも大切な情報であり、資料群の出所や来歴などを調書として残すことが、担当者が館を離れた後も、業務を継続する礎を築くことになる。ISAD(G)の記述要素を意識して文献資料の整理を行うことは、博物館運営において有益な方法と言えるだろう。」(47ページ)

上の引用には、業務の継続性を確保するために標準に則った資料の記述を行うことは、ムダの削減にダイレクトにつながることが示されています。限られたリソース、あるいはリソースが縮小しつつあるなかで、なによりも優先すべき事項ではないでしょうか。事業の継続性を支える資料整理の方法という点で、本稿は、一時に比べて議論が低調になっているようにもみえる、記録資料記述標準ISAD(G)の意義を改めて訴える論文です。

余談ですが、先日(11月5日)開催された企業史料協議会第3回ビジネスアーカイブズの日(テーマ「社史からアーカイブズへ」)では、各社それぞれの方法でアーカイブズの運営、文書がアーカイブズに流れてくるような仕組み作りに取り組んでおられるなぁという感想を持ちました。一方、人材の養成や引き継ぎが難しい、というお話が印象に残りました。必ずしも資料の記述方法に直接関係するわけではありませんが、企業においても「事業・業務の継続性」が大きな課題と認識されていることは、本稿の問題意識と繋がるものと感じました。
http://www.baa.gr.jp/news_h.asp?NoteAID=12

**********************

大磯町郷土資料館発行の「年報」の所蔵状況は下記の通りです。

カーリルローカルで神奈川県内の公共図書館を検索すると、いくつかの館で平成24年度まで所蔵が確認できます。
http://calil.jp/local/search?csid=kanagawa&q=%E5%B9%B4%E5%A0%B1%E3%80%80%E5%A4%A7%E7%A3%AF%E7%94%BA%E9%83%B7%E5%9C%9F%E8%B3%87%E6%96%99%E9%A4%A8

CiNii
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12255831

NDLサーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000071769-00
(平成23年度まで)

**********************

大磯町 郷土資料館のページ
http://www.town.oiso.kanagawa.jp/bunka_sports/bunka/kyodosiryokan/

大磯町郷土資料館刊行物一覧ページ(ただし「年報」は含まず)
http://www.town.oiso.kanagawa.jp/bunka_sports/bunka/kyodosiryokan/1358819527406.html

**********************

2012-12-05 13.39.25大磯町郷土資料館ISAD(G)

JSAS2014大会での報告「企業アーカイブズを持続可能なものとする:日本的経営におけるアーキビストとは?」目次

22 水曜日 10月 2014

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日本アーカイブズ学会2014年度大会企画研究会(テーマ「私たちの『アーカイブズ学』をとらえ直す──批判・検証・展望」)での報告が『アーカイブズ学研究』21号に掲載される予定です。

昨日初校を編集担当委員の方にお戻ししました。最終的な目次は下の通りです。

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「企業アーカイブズを持続可能なものとする:日本的経営におけるアーキビストとは?」
Making Corporate Archives Sustainable: Archivists in Japanese-style Management

1.はじめに

2.ビジネスアーカイブズの歩みと組織アーカイブズとしての企業アーカイブズの課題
2-1.ビジネスアーカイブズのこれまで
2-2.組織アーカイブズとしての企業アーカイブズの特色
2-3.企業の「組織アーカイブズ」が持続性を保つには? 諸外国と共通する課題

3.日本的経営スタイルと企業アーカイブズ
3-1.日本アーカイブズ学会でのこれまでの議論をめぐって
3-2.欧米型の雇用と日本型の雇用の比較
3-3.日本企業におけるアーカイブズ担当者
3-4.社史編纂と企業アーカイブズ

4.日本的経営におけるアーキビスト:付加価値創出に寄与できるアーキビストとは?
4-1.二つの観点:「アーカイブズ学・実務」と「会社業務経験」
4-2.人材育成の出口問題
4-2-1.社外専門家としての企業アーカイブズ支援
4-2-2.韓国での仕組みづくりの例
4-3.雇用政策の今後の変化とのかかわり
4-4.愛情・愛着

5.企業アーカイブズを持続可能なものとするために
5-1.取締役会、社長、経営企画、持ち株会社等の経営トップとのつながり
5-2.経営者団体への働きかけ:ISO26000、日本経団連「企業行動憲章」
5-3.組織アーカイブズでの業務に対応できる教育研修プログラムの開発
5-4.アーカイブズ学の基本の提示、テキストの開発・翻訳テキストの普及
5-5.アーカイブズ関連ビジネスの振興

6.おわりに

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[図1] 企業史料協議会会員数推移
[表1] IBM社企業アーキビスト(マネージャーレベル)求人広告(2014年2月)における職務の記述
[表2] 社内人事異動者のアーカイブズ業務に対する考えの変化と取り組みの展開事例

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来月中に刊行予定です。

¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨

2014-06-17 14.26.38

北の丸 国立公文書館にて(2014年6月17日)

関 正雄『ISO 26000を読む 』(2011年)目次

26 火曜日 8月 2014

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サステナビリティ, CSR, 統合報告, 非財務情報, ISO 26000

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企業のIR部門の方から、日本におけるCSRに関する考え方も変わってきているというお話をうかがいました。日本ではCSRが「法令遵守+社会貢献+環境対応」として理解されてきたものの、2010年にISO 26000(SR=社会的責任の国際規格。企業のみならず、すべての組織を対象としたもの)が発行され、国際的なスタンダードに沿ってCSRを理解する必要が生じつつあるといいます。

そこで、最近読んだ本の中でとても分かりやすくISO 26000を解説している文献の目次を紹介します。末尾の著者紹介によると、関正雄氏は株式会社損害保険ジャパンCSR部上席顧問であり、ISO26000作業部会において日本産業界代表エキスパートとして5年間規格策定に関わったほか、経団連の企業市民協議会企画部会長、国際協力NGOセンター理事他も務めているということです。

作業部会での議論の紛糾や合意に向けての粘り強い交渉の様子が伝わってきます。ひとつの事例に「4.3.5 性的指向と差別をめぐる議論」の紹介があります。文化・宗教を背景とした価値観の違いから、「性的指向(sexual orientation)を差別禁止事由の一つに入れるか入れないか最後まで紛糾し、専門のタスクチームによって議論を行った結果、最終的には「個人的関係(personal relationships)」と言い換えたうえで、差別禁止事由に入れることになったとあります。(82-83ページ)

[書誌情報]

タイトル:ISO 26000を読む : 人権・労働・環境…。社会的責任の国際規格:ISO/SRとは何か
著者:関正雄
出版者:日科技連出版社
価格:2,500円 (税別)
刊行年:2011
ページ数:163p
ISBN:978-4-8171-9393-3
出版者ページ:
http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN978-4-8171-9393-3

[目次]

まえがき

第1章 ISO 26000の概要

1.1 ISO 26000とは何か

1.1.1 ISO 26000をひと言でいうと
1.1.2 何が書いてあるか

1.2 CSRではなくSR規格であることの意味

1.3 規格の背景にあるもの

1.3.1 期待が失望に変わった温暖化国際交渉
1.3.2 「差異はあっても共通の責任」という考え方

1.4 ISO標準化の歴史と持続可能な発展

1.4.1 ISOは何を標準化してきたか
1.4.2 ISOはこれから何を標準化するのか

1.5 開発の経緯~難航した開発プロセス~

1.5.1 問題提起から作業部会の立ち上げまで
1.5.2 求心力を高めていった作業部会
1.5.3 規格発行後は各国で国内規格化へ

第2章 ISO 26000を理解するためのキーワード

2.1 ガイダンス文書

2.1.1 推奨事項を記述した手引き書
2.1.2 手引き書とした理由は何か
2.1.3 PDCAサイクルと認証問題

2.2 マルチステークホルダー・プロセス

2.2.1 定義
2.2.2 欧州のマルチステークホルダー・フォーラム
2.2.3 ISO 26000におけるマルチステークホルダー・プロセス
2.2.4 社会的責任に関する円卓会議

2.3 ステークホルダー・エンゲージメント

2.3.1 定義をめぐる議論
2.3.2 これまでのエンゲージメント、これからのエンゲージメント
2.3.3 経団連企業行動憲章における定義
2.3.4 コミュニケーションとエンゲージメント

2.4 サプライチェーンとバリューチェーン

2.4.1 規格策定の原動力となったサプライチェーン
2.4.2 監査からキャパシティ・ビルディングへ
2.4.3 「影響力の範囲」の議論
2.4.4 バリューチェーンが重要に
2.4.5 持続可能なカシミア・プロジェクト

第3章 規格解説その1 社会的責任の基本(箇条1~4)を理解する

3.1 基本の理解が重要

3.2 適用範囲(箇条1)

3.3 社会的責任の定義(箇条2)

3.4 社会的責任の理解(箇条3)

3.4.1 歴史的理解
3.4.2 社会的責任が求められる理由
3.4.3 持続可能な発展と組織の社会的責任の関係

3.5 社会的責任の原則(箇条4)

3.5.1 原則とは何か
3.5.2 国際行動規範の尊重
3.5.3 原則を活用する

第4章 規格解説その2 社会的責任の中核主題(箇条6)を理解する

4.1 中核主題の全体像(箇条6)

4.2 組織統治(箇条6.2)

4.3 人権(箇条6.3)

4.3.1 人権とラギー報告
4.3.2 人権パートに何が書いてあるか
4.3.3 人権デューディリジェンスとは何か
4.3.4 「加担」について
4.3.5 性的指向と差別をめぐる議論
4.3.6 今後の他の規範への影響

4.4 労働慣行(箇条6.4)

4.4.1 ILOとISOの協力覚書の意味
4.4.2 人権との関連の深さ
4.4.3 日本のCSRと労働
4.4.4 児童労働
4.4.5 労働における5つの課題

4.5 環境(箇条6.5)

4.5.1 環境問題の理解
4.5.2 汚染の予防
4.5.3 持続可能な資源の利用
4.5.4 気候変動の緩和および気候変動への適応
4.5.4 環境保護、生物多様性、および自然生息地の回復

4.6 公正な事業慣行(箇条6.6)

4.6.1 基本的な考え方
4.6.2 具体的なアクション

4.7 消費者課題(箇条6.7)

4.7.1 SRの中核主題としての特徴
4.7.2 保護すべき消費者の権利
4.7.3 持続可能な消費について
4.7.4 「消費者市民社会」を目指して

4.8 コミュニティへの参画およびコミュニティの発展(箇条6.8)

4.8.1 SRの中核主題としての特徴
4.8.2 具体的な課題とアクション
4.8.3 社会貢献とSR

第5章 規格解説その3 社会的責任を組織の活動に組み込む(箇条5および7)

5.1 社会的責任の認識およびステークホルダー・エンゲージメント(箇条5)

5.1.1 組織とステークホルダーと社会の関係
5.1.2 課題の絞込み
5.1.3 影響力の範囲
5.1.4 ステークホルダーの特定
5.1.5 ステークホルダー・エンゲージメント

5.2 組織全体に社会的責任を統合するための実践(箇条7)

5.2.1 基本的な考え方(箇条7.1~7.3)
5.2.2 組織全体に社会的責任を統合するための実践(箇条7.4)
5.2.3 社会的責任に関するコミュニケーション(箇条7.5)
5.2.4 社会的責任に関する信頼性の向上(箇条7.6)
5.2.5 社会的責任に関する組織の行動および慣行の確認および改善(箇条7.7)
5.2.6 社会的責任に関する自主的なイニシアチブ(箇条7.8)

第6章 ISO 26000をどう活用していけばよいか

6.1 規格のインパクト

6.1.1 中国とISO 26000
6.1.2 途上国の積極姿勢
6.1.3 さまざまな規範への影響
6.1.4 日本企業の反応

6.2 具体的にはどう活用したらよいか

6.2.1 考え得る活用方法
6.2.2 教育・啓発ツールとしての活用
6.2.3 企業行動憲章の活用
6.2.4 中小組織向けには
6.2.5 全ての組織の社会的責任という視点

6.3 求められている企業のリーダーシップ

6.4 結びに代えて

6.4.1 時代が求めた社会的責任規格
6.4.2 変化を生み出すためのソフトロー

あとがき
参考文献
索引
著者紹介

・。・。・。・。・。・。・。・。・

そして、次の引用で本文が結ばれています。(156ページ)

「見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい。」

‘You must be the change you want to see in the world.’

Mahatma Gandhi (1869-1948)
・。・。・。・。・。・。・。・。・

2014-07-05 14.02.58

 

 

【その他参考】

川村 雅彦「サプライチェーンのCSRリスクに疎い日本企業 (その1):“日本型CSR”に潜むリスク促進要因」(ニッセイ基礎研究所『基礎研レポート』2013-09-17)
http://www.nli-research.co.jp/report/nlri_report/2013/report130917.html

藤井敏彦『ヨーロッパのCSRと日本のCSR:何が違い何を学ぶのか』(日科技連出版、2005年)
http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN4-8171-9160-0

 

芳賀町総合情報館特別展「わが町学校のあゆみ─小学校編─」

25 月曜日 8月 2014

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芳賀町, 学校記録

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栃木県芳賀郡芳賀町総合情報館で開催中のアーカイブズ関係特別展「わが町学校のあゆみ─小学校編─」に行ってきました。
http://www.town.haga.tochigi.jp/jouhoukan/hakubutsukan/2014tane.html

2014-08-19 15.30.46

【芳賀町総合情報館について】

同館は2008年10月3日に開館した全国初の図書館・博物館・文書館の複合館です。HPの「運営理念」には次のようにあります。

http://www.town.haga.tochigi.jp/jouhoukan/riyouannai/uneihoushin/uneirinen.html

「総合情報館は、町民と町が一体となって文化・地域・行政情報資源を収集活用し、社会の急速な変化に十分対応できる、新たな地域創造を図る新世紀芳賀町の生涯学習と文化活動の総合拠点とすることを理念として掲げました」

「規模の小さな単独館を別々に設置しても、いずれも不十分なものとなりがちです。そのため、総合情報館は町民のニーズの変化や情報の高度化にも対応しやすく、一体的に利用することでその利便性を高めることができるとし、機能の集約性をメリットにしています」

【町制施行60周年記念 夏の特別展 わが町学校のあゆみ─小学校編─】

芳賀町では1998年度から小学校区の再編が開始され、それまで9校あった小学校の統廃合が進められ、現在は3校になったということです。総合情報館を所管する同町生涯学習課では、明治期から閉校直前まで作成されていた学校資料の収集を続け、この資料群が今回の展示の基となったといいます。

展示の内容は次の9つの分野の記録で構成されています。

〈学校日誌〉

〈沿革史〉

〈学校一覧表〉

〈寄付の記録〉

〈児童褒賞の記録〉

〈校歌制定記録〉

〈創立周年事業の記録〉

〈戦前期の学校写真〉

〈閉校関係〉

★   ★   ★

館内で配布されている「展示資料概要解説」によると、「学校日誌」は1947年の学校教育法施行規則28条で保存期間が5年間と定められているもので、それを過ぎると廃棄できます。しかし、一年365日、一日も漏らさず書き綴られており、過去の活動が確認できる最も基本的な記録であるため、全ての学校ではほぼ永続的に保存されてきたということです。また、展示されている1919年(大正8年)の「学校一覧表」には、その年の行事欄に「運動会、修学旅行、遠足」といった記載が確認でき、現在小学校で行われている行事は大正年間には始まっていたことも分かります。

戦前期の学校写真に加え、各小学校に残されていた戦後の写真も興味深いものでした。昭和40年代の創立記念の行事の写真には、黒羽織を着用している女性の姿なども確認できました。わたしの母親(1940年生まれ)の世代は、普段の生活ではほとんど洋装になっていたようですが、入学式・卒業式などでは現在よりは和装の女性も多く、いまはほとんど見かけない黒羽織が一世を風靡(?)していたと上の世代の方々から何度かうかがったことがあります。

黒羽織は一つの小さな例にすぎません。しかし、この展示によって、学校記録は学校内の出来事や生徒に関わる情報のみならず、学校を取りまく地域社会に関する豊かな情報を含むことが理解されるでしょう。

期間: 2014年8月2日~2014年9月21日 09時30分から17時00分
(月曜休館。但し、9月15日は開館・9月16日は休館、)

http://www.town.haga.tochigi.jp/jouhoukan/hakubutsukan/2014tane.html

★   ★   ★

同情報館では所蔵する「歴史的な記録(アーカイブズ)」の閲覧、利用が可能です。ただし、

「文書館資料の利用については、ご来館のご予定を含め事前に電話などで必ずご相談ください」
http://www.town.haga.tochigi.jp/jouhoukan/bunshokan/shiryou.html

とHPに明記されています。歴史的な記録にはプライバシーに関わる情報が含まれている可能性もあります。利用にあたっては担当者への事前の連絡を欠かさないようにしたいものです。

<文書館利用案内>
http://www.town.haga.tochigi.jp/jouhoukan/bunshokan/riyouannai.html

■ アクセス ■

JR東日本宇都宮駅からタクシーで30分程度、川口ジャンクションから東北自動車道利用の場合は約1時間30分程度、バスを利用する場合はJR宇都宮駅西口3番乗場から祖母井・茂木方面行に乗車して「芳賀温泉ロマンの湯」バス停下車、徒歩約10分

2014-08-19 17.56.30

JR宇都宮駅前広場の不思議な像

企業アーカイブズと統合報告(Integrated Reporting)

18 月曜日 8月 2014

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サステナビリテイl, CSR, 統合報告, ESG, 非財務情報, IIRC, ISO 26000

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2014年8月4日の日本経済新聞社朝刊の社告「企業価値を創る情報開示とは:『統合報告』シンポ開催 9月2日」が目にとまりました。
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO75186570U4A800C1MM8000/
http://adnet.nikkei.co.jp

統合報告とは国際統合報告評議会(International Integrated Reporting Council) http://www.theiirc.org/ (IIRC)が中心になって進めている企業報告の新しいあり方で、これまで別々に作成されてきた財務情報に関する報告と非財務情報に関する報告(ESG=環境、社会、ガバナンスに関する報告)を統合し、企業の長期にわたる価値創造に関わる情報をより分かりやすく投資家をはじめとするステークホールダーに提供することをめざしたものです。実際に作成される報告書が統合報告書と呼ばれます。

下記のサイトが分かりやすく統合報告について説明しています。

新日本有限責任監査法人 市村清「統合報告」を語るシリーズ(全10回)
http://www.shinnihon.or.jp/services/advisory/ir/column/

野村インベスター・リレーションズ
シニアコンサルタント 佐原 珠美
企業の価値創造プロセスを伝える「統合報告」とは
1)非財務情報の重要性の高まりと統合報告の背景
http://nomura-ir-webtsushin.e-ir.ne.jp/column/integratedreport01.html
2)日本の統合報告の現状と策定のポイント
http://nomura-ir-webtsushin.e-ir.ne.jp/column/integratedreport02.html

これがどのようにアーカイブズと関係するのか?

前回のブログ(奥村健治「企業史としての記録保存と活用」(2006年))で触れたように、2006年の段階で「環境会計という概念のような考え方をアーカイブや記録管理に応用できないか」という意見が記録管理やアーカイブズ関係者の間で表明されていました。

そこで思い出したのが、2012年8月の国際アーカイブズ評議会(ICA)のブリスベン大会でのインネッケ・デセルノIneke Deserno(NATO=北大西洋条約機構のアーキビストでありオーストラリア・モナシュ大学大学院博士課程に在籍中)の発表「レコードキーピング:企業の社会的責任の証拠か?」です。

公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター「ビジネス・アーカイブズ通信」41号(2012年11月6日発行)では次のように紹介しています。
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20121106.html

「発表はデセルノ氏の博士論文のためのリサーチの途中経過の報告でした。グローバル企業が発行する「サステナビリティ・レポート」は企業が社会、経済、環境に影響を与える活動や決定に関する情報を提供してくれます。記録は企業活動と決定に関する証拠なので、レコードキーピングの原則とプログラムは、サステナビリティ報告業務における重要な要素です。しかしながら現時点では企業は持続可能な活動を支援するために、レコードキーピング・プログラムを使用していないし、さらに重要なことは記録に関わる専門職の人々がこれらの活動に十分に関わっていない点にあります。このペーパーでは、CSRにおける記録管理の役割と、記録がサステナビリティ報告に寄与するものかどうかという問いを検討しています。デセルノ氏はウェブ上で公開されている各社のサステナビリティ報告を基にしつつ、関係者へのインタビューを行い、研究を進めています。

暫定的な結論として、記録の専門家たち、特に企業で働く記録プロフェッショナルは、組織の業務に積極的に関わり、それぞれの業務過程の中に、記録管理・レコードキーピングに必要な要件を組み入れるべきであることを示唆しています。そして、今こそCSRのための効果的なレコードキーピング体制を確立すべき時であると結論づけています。」

わたしもこの発表の場に居合わせました。立ち見が出るほどの盛況ぶりで、アーカイブズ、記録管理関係者が大いに注目する報告でした。

デセルノ氏の問題意識は、グローバル化した多国籍企業が透明性を確保し、信頼しうるサステナビリティ・レポートを作成するためには適切な記録管理が欠かせない、という点にあります。
http://infotech.monash.edu/research/about/centres/cosi/documents/ineke-phd-summary.pdf
(デセルノ氏の博士論文リサーチプロポーザル)

統合報告の議論でわたしが注目するのは、報告作成における記録管理の役割に加え、アーカイブズ機能のもたらす付加価値が非財務情報=ESG情報(企業の長期的価値創造に寄与する)としてより可視化される可能性がある点です。

宝印刷株式会社総合ディスクロージャー研究所編『統合報告書による情報開示の新潮流』(2014年、同文舘出版)46ページにオムロン作成「今後の企業価値の考え方」の図が掲示されています。これによると「非財務指標 見えない資産」には「理念の浸透度」「企業文化の濃さ」「CSR」「ガバナンス」「次世代経営者」といった指標があげられています。(オムロンは2012年からアニュアルレポートに変えて統合レポートを発行しています。)
http://www.omron.co.jp/ir/irlib/irlib_list.html

ビジネスアーカイブズ、企業史料関係者のこれまでの主張、すなわち「企業アーカイブズの利活用は企業理念、企業文化、ガバナンス、CSR・・・といった多様な価値に貢献する」ということが、投資家をはじめとするステークホールダーに理解してもらえる方向に進んでほしいと思います。

なお、以下の点を企業のIR関係の方からご教示いただきました。

《統合報告の導入が近年日本でもさまざまに取り上げられるようになった背景としては、スチュワードシップ・コードや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)といったものとの関係から日本の機関投資家が、(企業報告)発行体に対してガバナンスをはじめとする中長期的な質問をするようになったこともある。さらに発行体側にもルールを課すためにコーポレートガバナンス・コードといったものの検討も始まっている》

【参考①】

平成26年6月10日 金融庁「責任ある機関投資家」の諸原則
≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~の受入れを表明した機関投資家のリストの公表(第1回)について
http://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20140610-1.html

平成26年8月7日(木)9時30分~11時00分
金融庁 コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(第1回)議事次第
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20140807.html

【参考②】

下記のIIRC関係の動画も参考になります。

Paul Druckman 国際統合報告評議会CEO
「統合報告フレームワークが解決しようとしている課題」
What problem is the integrated reporting framework trying to fix?
2013年4月15日アップロード
https://www.youtube.com/watch?v=n2Qv5L2f-So&feature=youtu.be

斉藤惇 株式会社東京証券取引所グループ代表執行役社長
「ビジネスにおける統合報告の重要性」
2011年1月17日 中国・北京で収録
2011年9月27日アップロード
https://www.youtube.com/watch?v=FJGYUldoWM4&list=UUee53PLVUpXLL5kIsfMw7aQ&index=30

英国チャールズ皇太子
「新しい統合報告フレームワークを支持する」
HRH The Prince of Wales endorses the new International Integrated Reporting Framework
2013年12月5日アップロード
https://www.youtube.com/watch?list=UUee53PLVUpXLL5kIsfMw7aQ&v=BIVWxmqGs9M&app=desktop

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奥村健治「企業史としての記録保存と活用」(2006年)

13 水曜日 8月 2014

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ESG, 非財務情報

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——————–

企業史料関連論稿の紹介です。

[書誌情報]

著者:奥村 健治(おくむら けんじ)

タイトル:企業史としての記録保存と活用(研究発表,記録管理の社会的責任,<特集>2006年研究大会)

英文タイトル:Preservation and usage of records for a corporate history (Article presented at the annual meeting of the Society, Social responsibility of records management)

雑誌名:レコード・マネジメント : 記録管理学会誌

巻号:(52), 37-42, 2006-12-18

発行者:記録管理学会

Cinii Articles: http://ci.nii.ac.jp/naid/110005717847
(オープンアクセス。本文PDFへのリンクがあり、本文が読めます。)

[目次]

1. はじめに

2. キヤノン史アーカイブ室沿革

3. 史料の収集、保存、利用の基本

4. 業務方針

5. 今後の課題

**********************

2006年5月20日に開催された2006年度記録管理学会研究大会における特別事例紹介を元にした論稿です。冒頭「はじめに」で、キヤノンの企業史アーカイブの基本姿勢は「身の丈にあったアーカイブ」であると宣言しています。その内容は

(1)「安定した運営のために、中長期計画及び日々の業務の判断基準や運用ルールの明確化が必要」

(2)「保存する情報や物品と、保存のためのルール整備が確実になされることで、はじめてその基盤ができ、初めてアーカイブが社内認知され、積極的な運営が可能になる」

(3)「過剰でもなければその逆でもない身の丈に合った品質とそれを実現する経営資源が必要」

とまとめられています。(37ページ)

今から8年前の発表ですが、企業アーカイブズの構築と運営の指針として、多くの企業にとっては今もって追求されるべき事項ではないでしょうか。

論稿本文では続いて、「キヤノン史アーカイブ室沿革」「史料の収集、保存、利用の基本」「業務方針」「今後の課題」が順に述べられています。実際に社内で利用されている(た)「製品管理台帳」、「毎月発行の月次年表」、「歴史的製品推薦リスト」は、社内記録のデータベースのフィールドを考えるのに有用でしょう。

イントラネットによる掲示板GCIP(Global Canon Information Plaza)で情報を社内公開→ストックした後、年表作成を行うというアーカイブ室における業務の流れが紹介されています。

2006年以降の変化を上げるならば、企業情報発信のアウトレットとしてインターネットの割合が高まったことがあるでしょう。その点を除くならば、8年前の論考ですが、企業内記録の保存と活用に関する考え方としてまったく色褪せた感じを受けません。

本文の最後に研究大会当日の質疑応答も収録されています。以下、長くなりますが、引用します。(42ページ)

Q1:
「組織の名称をキヤノン史編集室からキヤノン史アーカイブ室に変えたというのはすばらしいと思います。社史編纂室だとその度に組織がなくなります。その点でアーカイブ室にするというアイデアはすばらしく、他の会社でも同じようにしたらよいと思います。それから保存のコストに苦慮されていることです。これは記録管理学会の皆様に考えていただきたいことですが、企業会計は収入と支出が計上され、保存するコストばかりが問題になり結局捨てろということになる。保存しておくことの会計上のメリットができていないのではないか。数年前から環境会計という概念ができ認められてきた。そのような考え方をアーカイブや記録管理に応用できないのでしょうか?」

A1:
「名和先生の著作権の話でロビー活動が必要だという話がありましたが、役員をはじめ社内に対して、アーカイブの大切さを平易に訴求することが効果を生むと思います。アーカイブに限ることではないのですが、コストのみがかかっているというのではなく、過去の資産を再利用して利益を生んでいることを示すため、アーカイブがどれ位利益に寄与したかというような試みをしてみたことはあります。」(以上、引用)

「役員をはじめ社内に対して、アーカイブの大切さを平易に訴求することが効果を生む」点は引き続き各企業のアーカイブズ担当者が進めていくべき課題だと思います。一方、この8年間での変化には、財務情報のみならず、非財務情報(環境、社会、ガバナンス=いわゆるESG)を企業報告に取り込んでいく動きが目立ってきたことがあげられます。サステナビリティレポート、環境レポート、社会貢献レポートなどです。非財務情報を企業報告に取り入れていくにあたり、アーカイブズや記録管理が何らかの貢献を果たすことができるのではないか、そんなことを考えています。

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国立国会図書館の記録資料

15 日曜日 6月 2014

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NDL, 国立国会図書館

今まど子・髙山正也編著『現代日本の図書館構想:戦後改革とその展開』(勉誠出版、2013年)を読んでいます。国立国会図書館(NDL)の存在抜きには戦後の日本の図書館を考えることはできないでしょう。

NDLの歴史を知るためのNDLの記録はどのように調べたらよいでしょう。同館が刊行した年史は次の通りです。

『国会図書館図書館五十年史』(1999年)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002797915-00

『国立国会図書館五十年史 資料編 』(2001年)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002983032-00

『国立国会図書館五十年史 資料編』(2001年)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007306598-00

『国立国会図書館三十年史』(1979年)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001406257-00

『国立国会図書館三十年史 資料編 』(1980年)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024436374-00
(札幌市中央図書館蔵)

『国立国会図書館 30年史 : 資料編 』(1980年)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I016496401-00
(栃木県立図書館蔵)
(滋賀県立図書館蔵)
(鳥取県立図書館蔵)

設立以来の事務文書は現用のまま永年保存されているか、すでに廃棄されているかのいずれかだと思います。情報公開制度を利用して開示請求することによって閲覧できる文書もあると思われます。
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/koukai/seido.html

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立法府・司法府の文書ファイル管理簿

15 日曜日 6月 2014

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ファイル管理簿, 独立行政法人, 行政, 司法, 情報公開, 日本銀行

情報公開法、公文書管理法の適用を受ける国の行政機関や独立行政法人、国立大学法人、日本銀行などはそれぞれの機関の文書ファイル管理簿をウェブで公開しています。

行政文書ファイル管理簿の検索
http://files.e-gov.go.jp/servlet/Fsearch

各独立行政法人等の法人文書ファイル管理簿
https://www.e-gov.go.jp/link/corporatedoc/

各独立行政法人等の法人文書ファイル管理簿
(国立大学法人・大学共同利用機関法人)
http://www.e-gov.go.jp/link/corporatedoc/univ.html

日本銀行法人文書ファイル管理簿
http://www4.boj.or.jp/tocds/pages/start.jsp

司法、立法関係は文書の特定のための情報の提供を求められた場合等窓口閲覧方式のみです。法律の有無はこのようなところにもあらわれていますね。

■衆議院事務局
「議院行政文書ファイル管理簿」
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h20ugoki/11annai/h20pr11.htm

「衆議院事務局の情報公開」のページの「2 議院行政文書ファイル管理簿の閲覧」で下記のように述べています。

「情報公開窓口に、開示の対象となる議院行政文書をファイル名ごとにまとめた「議院行政文書ファイル管理簿」を備えていますので、開示申出文書を特定する参考としてご利用ください。」

■参議院
「事務局文書ファイル管理簿」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/johokoukai/seido.html

「参議院事務局の情報公開」のページの「開示申出の受付窓口」の項目で下記のように記しています。

「「情報公開閲覧室」には、開示の対象となる事務局文書をファイルごとに整理した「事務局文書ファイル管理簿」を備え付けています。開示を希望する文書を特定する参考として御利用いただけます。」

■国立国会図書館
「国立国会図書館事務文書ファイル管理簿」
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/koukai/seido.html
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/data/a2101.pdf
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/koukai/saisoku.pdf

国立国会図書館の場合「国立国会図書館事務文書開示細則」(国立国会図書館事務文書開示細則 平成23年6月24日 国図総1106241号、改正 平成26年3月18日 国図総1403142号)の「第2 開示の求めに係る手続等(規則第7条関係)」の3で次のように定めています。

「3
規則第7条第2項の規定により情報を提供する場合には、国立国会図書館文書取扱内
規(昭和59年国立国会図書館内規第13号)に基づいて作成された文書ファイル管理
簿を閲覧に供することができる。」

■裁判所
「司法行政文書ファイル管理簿」
http://www.courts.go.jp/about/siryo/johokokai01/index.html
http://www.courts.go.jp/about/siryo/bunsyokanri04/index.html

「裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の基本的取扱いの実施の細目について(依命通達)」(最高裁総一第254号(庶い-4)平成13年9月14日)の「3. 文書の特定のための参考情報の提供(依命通達記7の(2))」で次のように定めています。
http://www.courts.go.jp/about/siryo/johokokai03/index.html

「文書の特定のための情報の提供を求められた場合には,平成17年12月12日付け最高裁秘書第003689号事務総長依命通達「下級裁判所司法行政文書取扱要領について」に基づいて作成されるファイル管理簿を閲覧に供することができる。」

日銀

森本祥子「アーカイブズ編成・記述の原則再考:シリーズ・システムの理解から」(2014年)

15 日曜日 6月 2014

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シリーズ, シリーズ・システム, 目録, 立法, 編成, 記述, NDL, 公文書, 公文書管理法, 国立国会図書館, 森本祥子

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本ブログの「アーカイブズ目録記述例としてのNDL(国立国会図書館)の階層構造の考え方」末尾で

「アーカイブズの目録記述方法には「シリーズ・システム」という考え方もあります。シリーズ・システムについては下のtogetterを参照してください。
http://togetter.com/li/89658」

と記しました。togetterでまとめた2011年1月15日開催の日本アーカイブズ学会研究集会「アーカイブズの構造を読み解く-編成・記述論の現在―」での森本祥子さんの発表「オーストラリア・シリーズ・システムの可能性について」が論文として刊行されました。

**********************

著者:森本祥子

タイトル:アーカイブズ編成・記述の原則再考:シリーズ・システムの理解から
(国文学研究資料館編『アーカイブズの構造認識と編成記述』思文閣出版、2014年、所収)

出版者ウェブページ:
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784217366
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/pamphlet/9784784217366.pdf

関連ブログページ:
https://archiveskoubou.wordpress.com/2014/06/14/nijl-archives-20140331/

 

**********************

[目次]

はじめに

一 シリーズ・システム

(1)前史:イギリスの伝統からの出発

(2)シリーズ・システム成立の経緯

(3)シリーズ・システムの基本的考え方

二 「恩給裁定原書」を素材とした記述例

三 「非」現代組織運営文書の管理におけるシリーズ・システムの有用性

おわりに

**********************

従来、記録資料(記録としてのアーカイブズ)の記述には、ICAが提唱する「国際標準記録史料記述:一般原則」(General International Standard of Archival Description: ISAD (G))に基づく編成記述が標準的なものと考えられてきました。

ISAD(G)に基づく編成記述の例を分かりやすく説明した文献として次のものをあげたいと思います。

牟田昌平「本格的デジタルアーカイブを目指して : アジア歴史資料センターの実験」
一般社団法人情報処理学会『情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告』 2003(112)、 33-44、2003-11-13

http://ci.nii.ac.jp/els/110002911492.pdf?id=ART0003258146&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1402737587&cp=

http://ci.nii.ac.jp/naid/110002911492/

小川千代子「ISAD(G)の実装 : アジア歴史資料センターの階層検索システム」
記録管理学会『レコード・マネジメント : 記録管理学会誌』 (45)、 10-25、2002-11-30

http://ci.nii.ac.jp/els/110003840749.pdf?id=ART0005051707&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1402754939&cp=

http://ci.nii.ac.jp/naid/110003840749

牟田論文の39ページ「図表4 各階層と各所蔵機関の目録構造比較対照表」、小川論文17ページ「第2図 資料の階層構成図」が示すように、ISAD(G)は出所である記録作成組織の階層性に応じた記録の原秩序を目録上で表現する方法と考えられます。

このような資料の編成記述・目録作成は、組織や業務が固定化されている場合には有効なのですが、記録を生み出す組織の改編が頻繁になってきた場合、階層構造の提示が困難となります。この点について森本氏は次のように述べます。

「組織変遷が頻繁に発生する現代の組織運営文書の場合には、文書の作成者と文書との関係は流動的であり、ある業務にともなって文書が作成され始めた時と、その業務が終わって文書のまとまりができあがった時とでは、作成組織が変わっている、ということは珍しくない。ある業務とそれにともなって作成される文書シリーズは一貫しているにもかかわらず、文書の直接的作成者(たとえば、課や係といった単位)はいうまでもなく、フォンド・レベルの作成者も変わる(省庁名が変わった、市町村合併が行われた、会社が吸収合併された、など)ことがある。このような場合は、作成者と資料とは「1対1」対応との前提に立ち、単一の出所のもとにすべての文書を関連づけるというツリー型の階層構造では、作成者と文書の関係を正確かつわかりやすく表現することはむずかしい。」
(森本祥子「アーカイブズ編成・記述の原則再考:シリーズ・システムの理解から」71~72ページ)

そこで森本氏が紹介するのは、オーストラリアで開発された「シリーズ・システム」と呼ばれる手法です。この方法では、文書の作成者(エージェンシー)に関する記述と、文書(シリーズ)に関する記述を別々に作成し、必要に応じて両者の記述をリンクさせます。この手法は森本氏によると、

「見かけ上、作成者と文書についての記述が切り離されるために出所原則が崩されたように見えるが、その本質は真の意味での出所原則を守れることにある」(同72ページ)と言います。

**********************

さて、ここで再び国立国会図書館の組織を基にシリーズ・システムを考えてみたいと思います。現在の同館の組織図は下記の通りです。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/outline/organizationtree.html

国立国会図書館では2009年度に「デジタル情報資源ラウンドテーブル」を設置しました。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/roundtable.html
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/h21-h23roundtable.html

発足時から2011年9月まで関西館電子図書館課が、同年10月以降は電子情報部電子情報企画課が事務局を担当しています。これは国立国会図書館の組織の中に2011年10月電子情報部が新設されたことに対応しているようです。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/pdf/h21-h23roundtable01.pdf
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/pdf/H23honkaigi_Tanaka.pdf (スライド4枚目)

シリーズシステムを考える(NDLを例に)

 

2009年度に関西館電子図書館課内に設置された「デジタル情報資源ラウンドテーブル」全体事務局は2011年10月に電子情報部電子情報企画課に移動しています。つまり「デジタル情報資源ラウンドテーブル」運営のための文書作成主体は関西館電子図書館課から電子情報部電子情報企画課に移動したと言えます。

シリーズ・システムでは、「デジタル情報資源ラウンドテーブル」運営文書(仮称)というシリーズに関して「名称」「シリーズ開始日」「シリーズ終了日」「内容開始日」「内容終了日」「機能」「数量」「物理的特徴及び利用上の技術的要請」「記述」「評価選別」「累積」「管理歴」「編成方法」「管理番号」「公開の可否」「著作権及び複写」「言語」「検索手段」「所在地」「複製」といった項目を記述します。一方、エージェンシー(この場合は、関西館電子図書館課と電子情報部電子情報企画課それぞれ)に関して、「名称」「開始日」「終了日」「権限根拠」「所在地」「記述」「機能」といった項目を記述します。そしてシリーズに関する記述と、エージェンシーに関する記述をリンクさせることによって作成者と文書の関係を正確に表現することが可能となります。

**********************

国際アーカイブズ評議会(ICA)議会・政党のアーカイブズ・アーキビスト部会(SPP)でも述べたとおり、現在の日本の公文書管理法は国の行政機関のみを対象としたもので、立法機関の一部である国立国会図書館には適用されません。法令に基づいた組織アーカイブズの管理と公開の実現がいつになるのかはわかりませんが、自らが生みだした文書とアーカイブズを、確実に未来の世代に残して行ってほしいと思います。そして利用を可能に、また容易にするための編成と記述、目録作成を実現してもらいたいものです。

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