BACのビジネスアーカイブズ1日研修講座

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2010年1月15日にTwitterを開始した当初は、海外のアーカイブズ関係アカウントというと、もっぱら米国かドイツのものをフォローしてきました。

2012年の半ばにスコットランドのBallast Trust、同年末にグラスゴー大学アーカイブズがTwitterアカウントを取得して、イギリスのBA関係情報の取得もずいぶんスピードアップしました。

2013年になるとBAC関係者(現在のChairであるMike Anson)がアカウントを開設し、これが情報を共有するのにとても役立っています。

さて、本日目についたつぶやきはBACが開催する1日研修講座のお知らせです。
https://twitter.com/BAC_Chair/status/425173665479933952

リンク先であるアーカイブズ・記録協会のサイトでプログラムをチェックしてみました。 http://www.archives.org.uk/si-brg/news-and-events.html

プログラム
http://www.archives.org.uk/images/documents/Business_Records/Business_Archives_Training_Day_2014_-_Programme_copy_copy_copy.doc

9時 受付開始
9時半 企業記録と企業環境の紹介
     HSBCアーカイブズ James Mortlock 
11時15分 重要企業記録
     ユニリーバ・アーカイブズ Kelda Roe
12時 ビジネスアーカイブズとアウトリーチでの協力
     マークス&スペンサー社アーキビスト Katharine Carter 
12時45分 ランチ
1時半 ビジネスアーカイブズにとってのデジタル保存の挑戦
     国会アーカイブズ Adrian Brown
2時15分 ビジネスアーカイブズにおけるアクセスとリサーチ
     小グループセッション:ビジネスアーカイブズへのアクセス─企業と研究者の要求は対立する?
     ロスチャイルド・アーカイブズ Natalie Broad & Justin Cavernelis-Frost
3時45分 あるビジネスアーキビストの一日
     ロンドン・メトロポリタン・アーカイブズ Richard Wiltshire
     BTアーカイブズ David Hay
     イングランド銀行アーカイブズ Lorna Williams
4時半 終了

受講者はアーカイブズ専攻の大学院生か、すでにアーカイブズ関係でMScを取得して企業以外のアーカイブズに勤務する現職者か、あるいは大学院レベルのアーカイブズ学は未履修者で企業アーカイブズ在職の初心者か、、、あたりをもう少し調査したいと思います。

『アーカイブズ学研究』 No.19 目次

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発行日:2013年11月30日

小特集 2013年度大会企画研究会〈放射線データアーカイブズの構築に向けて〉

研究小委員会 「開催趣旨」

伊藤好孝 「福島放射線測定データとメタデータベース作り」

松尾美里 「科学資料をめぐるアーカイバルプラクティス:概要の紹介」

松本 保 「国立国会図書館における東日本大震災アーカイブ構築の取組」

論文

ノーマン・ジェイムズ(森本祥子訳) 「イギリスにおける民間アーカイブズ:その保存へのとりくみ」

書評

桑尾光太郎 平井孝典『公文書管理と情報アクセス:国立大学法人小樽商科大学の「緑丘アーカイブズ」』

古賀 崇 江上敏哲『本棚の中のニッポン:海外の日本図書館と日本研究』

宮間純一 箱石 大『戊辰戦争の史料学』

紹介

酒井麻子 神奈川県立公文書館編『陸前高田市被災公文書レスキュー報告書 2011-2012』

     国立公文書館編『被災公文書等修復マニュアル』

2012年度日本アーカイブズ学会登録アーキビスト認定者の声

柴田知彰 「登録アーキビスト資格の誕生と課題」

小根山美鈴 「『日本アーカイブズ学会登録アーキビスト』で思うこと」

会告

日本アーカイブズ学会登録アーキビストに関する規定/同細則/同申請要項

日本アーカイブズ学会プライバシーポリシー

2014年度大会のご案内

投稿規程/執筆要項/会則

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日本アーカイブズ学会HPには『アーカイブズ学研究』19号目次はこれから掲載のようです。

日本アーカイブズ学会HP http://www.jsas.info/

東アジアアーカイブズ共同研究会主催セミナー「銀行アーカイブズの現状と課題」

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昨日(2013年12月7日)、東アジアアーカイブズ共同研究会主催セミナー「銀行アーカイブズの現状と課題」でお話させていただきました。

私のテーマは「海外における銀行アーカイブズ概観」です。最初にお話が来たときは、「海外の銀行アーカイブズについて話を」ということでした。「なぜ銀行アーカイブズ?」と思いつつ、海外の銀行アーカイブズの機関情報・資料情報といったリソースについてお話しいたしました。あくまでoverview、「概観」です。

当日の配布資料を掲載します。

20131207海外における銀行アーカイブズ概観(松崎)
【別紙①】ICAディレクトリからみた銀行アーカイブズ
【別紙②】欧州銀行・金融史協会(EABH)会員
【別紙③】HSBCアーカイブズ変遷図

このほかに【別紙④】を配布しました。これはHSBCアーカイブズの利用条件に関する文書で、下記URLからダウンロードしたものです。
Conditions of access (下記ページの真ん中あたりにあります)
http://www.hsbc.com/about-hsbc/history/hsbc-s-archives

ICAメンバーディレクトリからみた銀行アーカイブズをgoogle mapで表現してみたのは、こちらです。
https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=z9zFQRtOpRgc.ksm_ClIErhw

配布資料に記載をいたしませんでしたが、英国国立公文書館(TNA)のNational Register of Archives (NRA)に討論の中で言及しました。記録資料の所在情報に関するたいへん優れたデータベースだと思います。
http://www.nationalarchives.gov.uk/nra/aboutapps/nra/about.htm

NRAに関してはTNAのNRA担当者Dr Norman Jamesによる論文 Private Archives in the United Kingdom を森本祥子さんが翻訳されております(日本語タイトル「イギリスにおける民間アーカイブズ:その保存へのとりくみ」)。間もなくパブリッシュされるとうかがっております。

またICASBLの運営委員であるAlison Turtonが編纂に関わった書籍(Business Archives Councilの叢書の一冊) British Banking: A Guide to Historical Records, Ashgate, 2000 はイギリスの銀行関係記録資料の所在と概要を記したガイドです。663ページに及ぶ記録資料所在情報の組織化に圧倒されます。(セミナー会場で参加者に手にとってご覧になっていただきました)

会場にはARMAインターナショナル東京支部理事の渡邊健さんも参加してくださいました。ながらく銀行に勤務されたご自身の経験に基づくお話はたいへん参考になりました。例えば、銀行における現用記録管理はしっかりしている点、日本のメガバンクは過去20年あまり合併・統合を繰り返し、歴史遺産をアイデンティテイ構築やブランディングに活用することが困難である点、さらにHSBC等はグローバルレベルで競争優位性を争っているが、日本のメガバンクはもう少しローカルな存在であるという点、などです。渡邊さんがご自身のブログで本セミナーについて取り上げておられます。

渡邊健さんのブログ
http://ameblo.jp/tsuyoshiwatanabe/entry-11721754154.html

2013/11/25 専門図書館協議会での講演配布資料公開

11月25日に行われた専門図書館協議会関東地区協議会第19回情報サービス研究会「経営資源としてのアーカイブズ」配布資料の一部が公開されました。

公開にあたって一部加筆・修正を行っています。

リンク先: https://www.sentokyo-kanto.org/event_report/index.php?content_id=73

2013/12/7 「海外における銀行アーカイブズ概観」

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12-7セミナーポスター

12-7セミナーポスター(PDF)

第3回 東アジアアーカイブズ共同研究会主催セミナー

「銀行アーカイブズの現状と課題」

日時:平成25年12月7日(土)15:30~17:00

会場:麗澤大学東京研究センター
        新宿アイランドタワー4F   4104号室

言語:日本語

申込み:不要

報告者:

①佐藤政則 麗澤大学大学院経済学研究科 教授
「利用者から観た日銀アーカイブ」

②松崎裕子 公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
「海外における銀行アーカイブズ概観」

コメンテーター:佐久間 健 国立公文書館アジア歴史資料センター研究員

司 会:蓮沼素子 学習院大学人文科学研究科アーカイブズ学専攻 博士後期課程

主 催:
東アジアアーカイブズ共同研究会
(公益財団法人りそなアジア・オセアニア財団平成24年度共同研究プロジェクト助成)

共 催:麗澤大学

専門図書館協議会関東地区協議会第19回情報サービス研究会

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去る11月25日(月)、東京商工会議所4階で開催された専門図書館協議会関東地区協議会第19回情報サービス研究会にて「経営資源としてのアーカイブズ」のお話をしました。

https://www.sentokyo-kanto.org/info/event.php?eid=82

当日は4種類のパワーポイント
「経営資源としてのアーカイブズ」(スライド109枚)
「クラフトフーズ社アーカイブズ」(54枚)
「ブーツ社アーカイブズ」(128枚)
「(ブーツ社経営陣)Pessina氏とKKR」(4枚)

3種類の配布資料
「経営資源としてのアーカイブズ」(14ページ)
「参考文献リスト」(2ページ)
「(ブーツ社の)カンパニー・アーカイブズ」(1ページ)

を利用しました。このうち配布資料の「経営資源としてのアーカイブズ」と「参考文献リスト」が近日中に同協議会ウェブサイトにて公開される予定です。

講演時間が質疑を含めて120分あったので、海外事例としてコカコーラ社のCoka Cola Conversations の中のVirtual Archives Tour をネットに接続しながら解説できました。

企業史料協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』目次

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タイトル:企業アーカイブズの理論と実践
初版発行:2013年11月5日
編者:企業史料協議会
発行所:丸善プラネット株式会社
発売所:丸善出版株式会社
ISBN:978-4-86345-176-6 
2013-10-22 08.21.11

【理論編】
 第1章 経営資源としてのアーカイブズ(松崎裕子)
 はじめに─アーカイブズなしに企業はグローバル化社会で生き残ることはできない
 1 企業アーカイブズとは何か
 1)    アーカイブズとは何か
 2)    組織アーカイブズと収集アーカイブズ
 2 企業アーカイブズが持つ多様な価値
 1)    信頼されるビジネスパートナーであるために
 2)    紛争と摩擦を生き抜くために
 3)    絶えざる改善と持続可能な発展のために
 3 アーキビストなしにアーカイブズの効能は引き出せない
 1)    企業アーキビストの基本的な業務
 2)    「時の経過」と情報の開示・記録の公開
 3)    企業アーキビストの倫理
 おわりに

第2章 「記憶」がつくる企業文化─構築と活用─(上田和夫)
 はじめに
 1 体制づくり
 2 アーカイブズを構成するもの
 1)    創業に関わる資料を集める
 2)    過去資料を集める
 3)    現用資料の収集を検討する
 4)    資料をつくる(オーラルヒストリー)
 5)    グローバル・アーカイブズを見据える
 3  ミクロコスモスからマクロコスモスへ
 4 戦略的活用
 5 企業アーカイブズの価値

第3章 社史編纂と企業アーカイブズ(橘川武郎)
 1 はじめに
 2 社史は意外に読まれている
 3 社史の三つの役割
 1)    広報(外へ向けての役割)
 2)    教育(内へ向けての役割)
 3)    学習(未来へ向けての役割)
 4 「良い社史」の要件
 1)    真実
 2)    ストーリー
 3)    使いやすさ
 5 「良い社史」の作り方
 1)    社史編纂室のリーダーシップ
 2)    執筆面での外部専門家の活用
 3)    制作・編集面での外部専門家の活用
 4)    編纂室・執筆者・制作者の真摯な意見交換
 6 「良い社史」の使い方
 1)    デジタル化
 2)    データベースの作成
 3)    社内研修での活用
 7 社史編纂と企業アーカイブズとの関連
 8 おわりに

第4章 機能としてのアーカイブズ─施設がなくても始められる─(森本祥子)
 はじめに
 1 アーカイブズ機能論というアプローチ
 2 アーカイブズ機能確立のために必要なこと
 1)    戦略的に考え、取り組む意識
 2)    具体的な戦略を持つこと
 3)    組織として正式に位置付けること
 4)    規則・規定類の整備
 5)    資料保存の体制整備
 3 文書管理とアーカイブズ管理との違い
 おわりに─機能の整備から施設の整備へ─

第5章 デジタル文書と企業アーカイブズ
 ─担当一名、しかも兼任、それでも可能なアーカイブズ─(佐藤政則)
 1 はじめに
 2 デジタル文書ならば一人でもできる
 3 基本的トレーニングの6ステップ
 1)    社内文書の配置マップを作る─ステップⅠ
 2)    主要トピックスの流れを知る─ステップⅡ
 3)    A群資料を確認する─ステップⅢ
 4)    B群資料を調べる─ステップⅣ
 5)    C群資料を使ってみる─ステップⅤ
 6)    物品資料リストも必要です─ステップⅥ
 4 人を育て、人が育つアーカイブズを

【実践編】
 第6章 史資料の資源化(柚木俊弘)
 1 受入れと収集
 1)    収集のルール化
 2)    収集する史資料の種類
 3)    史資料や写真等の収集方法に関する留意点
 2 評価選別
 1)    重要な史資料とは?
 2)    史資料の形態による選別    ☆
 3)    史資料の整理
 i.    基本原則(3つの視点)
 ii.    段階的整理
 iii.    チェックリストの活用
 iv.    史資料の分類
 3 目録の作成

第7章 史資料の管理(野秋誠治)
 1 史資料の管理
 2 デジタルデータの管理
 3 アーカイブズ部門の管理業務

第8章 情報発信とサービス提供(牛島康明)
 1 社内での活用とサービス提供
 1)    社史編纂後のダイジェスト版や外国語訳小冊子などの社内配布
 2)    社員教育への活用
 3)    公表資料作成のために社史情報提供
 4)    社内向けイントラネットにアーカイブズ情報を集約し、活用可能にする
 5)    アーカイブズ専用ホームページの作成
 6)    アーカイブズ情報をテーマ別記事にまとめ定期的にWebで発信
 7)    社宝の展示
 8)    社内報へのアーカイブズ情報の定期的掲載
 9)    アーカイブズとしての「社内報」の活用
 2 社外での活用とサービス提供
 1)    社史を全国の図書館、博物館、関係先等に送付
 2)    書籍、新聞などの出版物対応
 3)    生活者からなどの問い合わせに対する対応
 4)    ホームページによる歴史コンテンツの情報発信
 5)    法人の常設史料展示施設の設置および特別展の開設
 6)    得意先の展示会等に史資料提供
 7)    公共の博物館、図書館などでの展示会に史資料提供

第9章 社史の編纂プロセス(村井清)
 はじめに
 1 社史編纂の主なプロセス
 2 企画
 3 資料収集
 4 執筆
 5 刊行
 最後に─良い社史編纂に向けて

第10章 企業アーカイブズと著作権(伊藤真・平井祐希)
 1 はじめに
 2 著作権問題
 1)    著作権とは
 2)    著作権問題の整理の仕方・考え方の順序
 3 著作物
 1)    著作権の認められる著作物とは
 2)    二次的著作物
 3)    編集著作物
 4 著作者
 1)    著作者とは
 2)    職務著作
 3)    映画の著作物の著作者(第16条)
 5 著作権
 1)    著作者人格権と狭義の著作権
 2)    著作者人格権
 3)    狭義の著作権
 i.    複製権(21条)
 ii.    公衆送信権等(23条)
 iii.    その他問題となり得る著作権
 6 著作権(狭義)の保護期間
 7 著作権の制限
 1)    著作物の制限規定の意味
 2)    私的使用のための複製(30条)
 3)    引用(32条)
 4)    営利を目的としない上演等(38条)
 5)    美術の著作物等の原作品の所有者による展示(45条)
 6)    公開の美術の著作物等の利用(46条)
 8 著作物の利用(契約)
 9 著作権者不明の場合
 10 パブリシティ権
 11 商標権
 12 まとめとして

第11章 組織・体制─企業アーカイブズ・アンケート調査結果を素材に─(松田正人)
 1 組織・体制・アーカイブズ設置時期等
 2 人材・スペース
 3 担当部署の業務内容
 4 史資料の収集・整理
 5 編纂社史の活用等

「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会(2013年11月17日、盛岡市)

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下記の催し物に参加しました。

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国文学研究資料館・いわて高等教育コンソーシアム講演会
 「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」
日時:2013年11月17日(日) 13:00~17:00
会場:ホテルルイズ(3階 万葉の間)
  (岩手県盛岡市盛岡駅前通り7-15)
プログラム:
第1部 アーカイブズの意義
松岡資明氏 (日本経済新聞社)
 「東日本大震災後、公文書管理は変わったか」
 大石泰夫氏 (盛岡大学教授)
 「アーカイブズと民俗学―報告書『花輪祭り』の実例から」
青木直己氏 (元虎屋文庫研究主幹)
 「ビジネスアーカイブズと地域社会」
加藤聖文氏 (国文学研究資料館助教)
 「公文書管理法を活かして記録を残す」
第2部 地域社会におけるアーカイブズ
平田輝明氏 (元栃木県小山市文書館長)
 「地域文書館の設立を振り返って-アーカイブズ未設置地域の博物館の役割」
 [体調不良のためご欠席。代わって青木睦氏から趣旨説明がありました]

 小笠原晋氏 (遠野市文化研究センター調査研究課長)
 「遠野市行政文書館の設置目的と岩手県内自治体における文書管理の現状」
青木睦氏 (国文学研究資料館准教授)
 「被災文書の保存活用と市町村における文書中間保管庫の設計」
講演者によるディスカッション 
 司会 岩手大学教授 藪 敏裕氏
問い合わせ先 盛岡大学総務部総務課 電話019-688-5555(代)

Morioka

「第1部 アーカイブズの意義」はわたしの仕事にも重なるところがあったので、メモを基にして講演の概要をまとめてみました。

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第1部に入る前に、国文学研究資料館の大友一雄先生から次のようなあいさつがありました。

国文学研究資料館が資料保存にかかわるようになったきっかけは、戦後の資料保存にかかわる国会請願により文部省史料館ができたところに始まる。資料保存のための『ひとづくり』のためにアーカイブズ・カレッジを長年主催してきた。震災後、『人づくり』に加えて、資料保存のための『仕組みづくり』も必要であると強く感じている。

■松岡氏「東日本大震災後、公文書管理は変わったか」■

2011年4月、前月の東日本大震災の直後、公文書管理法施行がスタートした。同年4月12日には瀧野内閣官房副長官が「大震災の事実経過の記録資料の保存にご留意願いたい」と要請した。

その後、昨年1月ごろから震災関係会合の議事録・議事概要を作らせていなかったことが問題となった。その後さらに、明治以来閣議・閣僚懇談会の記録も作成されてこなかった事態も明らかに。

公文書管理法が施行されたにも関わらず、公文書管理委員会は出席者が足らず、きちんとした議論が行われていない。また、この間、政府各省庁から国立公文書館への公文書の移管率が低い水準でとどまっていることも明らかになっている。

つい最近の特定秘密保護法案に関わる議論の中では、防衛庁の防衛秘密は公文書管理法が適用されない領域の公文書であることが明らかになった。公文書管理法の第3条に「公文書等の管理については、他の法律又はこれに基づく命令に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる」という条項があり、これが防衛省の公文書の扱いに適用されている。この条文を挿入した官僚おそるべし、である。

近年、大量公開請求によって行政が阻害されているという認識から、情報公開が制限されるような方向も出てきている。自治体では公文書管理条例が制定され公文書館が設置されるところも出てきてはいるが、一方で民間資料の保存機関が減ってきている状況もある。

今週は衆議院における特定秘密保護法案の審議の山場にあたる。衆議院のHPに行くと、審議の様子が中継されているので、ぜひ注目していただきたい。

■大石氏「アーカイブズと民俗学―報告書『花輪祭り』の実例から」■

専門は万葉集と民俗学。民俗学研究のなかで、アーカイブズの力を感じた経験を、秋田県鹿角市花輪地区に伝わる「花輪ばやし」を例に紹介する。

花輪ばやしとは、8月19、20日に行われる屋台行事のこと。この祭りはある時期、二つの祭りが統合されたと推測される。ところが、いつどのように統合されたのか、神社には記録はなく、地域の人々の記憶もあいまいであった。

手掛かりを探すなかで、『鹿角時報』『広報はなわ』の二つの資料に巡り合った。図書館に所蔵されていた『鹿角時報』の1957年=昭和32年6月11日発行 第506号に掲載された「お輿を二つ並らべて」と題した寄稿文と、それに続く投書(同年6月28日発行第509号)、花輪神明社総代会での議論に関する投書(同年7月11日発行第511号)から、二つの祭りが統合が検討され始めたのが昭和32年であり、実際に統合されたのは、花輪町発行『広報はなわ』 1960年=昭和35年8月2日発行第31号によって、この年1960年であることが分かった。

※大石氏配布資料(タイトルは「花輪ばやしの概要」)より。
『鹿角時報』
最初「花輪青年」という名称で青年団の会誌として大正5年(1916)に発刊。大正10年(1921)6月から「青年乃鹿角」に改称、タブロイド判とな る。昭和2年(1927)8月に「鹿角時報」に改称。昭和14年(1939)から戦時統制のため休刊となるが、昭和21年(1946)に復刊し、昭和46 年に廃刊。

民俗学は歴史学との差異化欲求から、口頭伝承をたいへん重視してきたが、それだけでは解明できない事象が存在する。この花輪ばやしの例のように、口頭伝承に文献からの情報を加えることによって、生き生きとした人々の生活の変化を描きだすことができる。

同地区の「お休み堂の迎え太鼓」は、お休み堂が使われなくなって、「迎え太鼓」も廃れてしまったのだが、それがいつのことなのか、人々の記憶・口頭伝承からでは明らかにできなかった。

この件に関しても『鹿角時報』『広報はなわ』が大きな手掛かりを与えてくれた。『広報はなわ』第31号(昭和35年=1960年8月2日発行)で、この年まで迎え太鼓が行われていたことが確認できる。昭和43年(1968)8月17日発行『鹿角時報』第1136号には地区への転入者による「お祭り雑感」という記事が掲載されており、迎え太鼓が廃れたのは昭和35年から43年のあいだのどこかの時点であることが分かる。

現代では核家族化によって家族間における伝承が困難なものとなるとともに、地域社会も職業の多様化によって民俗の伝承母体としては弱体化している。そのような状況で、民俗学においてもアーカイブズのようなものをきちんと把握する必要が生じている。

■青木氏「ビジネスアーカイブズと地域社会」■

和菓子製造販売会社虎屋に1989年入社。同社のアーカイブズ「虎屋文庫」に長年勤務の後、先ごろ退職。この10月、同文庫顧問に就任。

ビジネスアーカイブズとは、第一義的には記録を作成した企業自身のために存在する経営資源である。そのため非公開性、という特性を持つ。かつては社史を作成するために記録を保存する、という意識が強かったが、近年は広報などさまざまな社業に活用されるようになってきている。虎屋は480年の歴史を持つ会社であり、社のアーカイブズを広報・宣伝に活用したりしている。

虎屋に見るアーカイブズ保存の理念は、1945年5月の東京大空襲時に先輩たちが会社の重要記録を本社から持ち出して弁慶堀に沈めて避難させた例に表れているように思う。この件に関しては、社史『虎屋の五世紀 通史編』に記載されている。あるいは、1971年1月の社内報『まこと』第6号では当時の社長黒川光朝が「資料の整理、分類は無事故への指針である」と述べている。ちなみに、 この光朝社長が昭和48年(1973)に虎屋文庫を設立した。

現在虎屋文庫には7名のスタッフがおり全員社員である。社員総数960名の会社としては、アーカイブズ部門に配置しているスタッフは多いほうだと思う。かつては最大で9名ほど在籍していた時期もある。

さて、本日の本題は地域の近代化と鉄道・電力会社の関係である。かつて国分寺市史編纂に携わった時分、民家の蔵から東京電力の株券が出てきたり、思わぬところで企業資料に接する機会があった。

企業と地域社会の関係は、企業城下町などと言われることもあるように、大きな企業の場合地域への影響も大きい。東北の電力会社に関しては『東北電力事業史』 が参考になる。岩手県では大正4年(1915)岩手軽便鉄道が開業したほか、同年花巻電鉄も開業している(前身は大正元年に開業)。

関東の例では京王電気軌道(株)の例を見てみたい。同社は明治43年(1910)開業、大正2年(1913)府中火力発電所を竣工、同年電気鉄道も開業した。これに伴い、世田谷以西はそれまで電気がなかったのが、新たに沿線住民へ電灯が供給されることになった。大正2年の灯数は1387。昭和15年(1940) には灯数は46万5677、この年の料金収入は232万円。対して、電車収入は132万円。このように、民間企業の事業は地域の近代化に大きな影響を与え ている。ちなみにこれらの事実は『京王電鉄30年史』に記されている。

このことからわかるように、社史は地域社会を知るツールとして利用することができる。ビジネスアーカイブズは先に述べたように、一般には非公開であるけれども、社史が企業と地域社会の関係を探るための代替物としての役割を果たしてくれる。

最後にビジネスアーカイブズの公開と、公開促進についても触れておきたい。一つは社史を通じた公開があげられる。しかしこれには限界がある。イギリスのグラスゴーでは、企業資料を寄託する機関があると聞いている。このような仕組みづくりも大切であると思う。

また、本日の講演と関連して日外アソシエーツから刊行された『世界のビジネス・アーカイブズ─企業価値の源泉』がとても役に立つので、ぜひ手にとってもらいたい。

■加藤氏「公文書管理法を活かして記録を残す」■

岩手県庁で公文書を閲覧請求してみた。岩手では永年保存文書の目録をウェブ公開している。永年保存文書でも目録に載っていないものもある。有期限文書の目録はウェブには掲載されていない。有期限文書は情報公開請求によって閲覧する。

閲覧申請は県の総務部法務学事課が対応。今回は「引揚」「援護」関係の文書を閲覧しようとしたが、目録にない。目録にある「移民」も申請。県からは援護関係 については文書がない、という連絡があった。ただし1972年に発行された『援護の記録』はある、という。もちろん私(加藤氏)はその冊子についてはすで に知っているので、この冊子の元になった現記録をみたいと伝えた。一方、「移民」関係の文書は個人情報だから見せられない、という。

ここで問題点を考えてみる。

①まず、公開している永年保存文書の目録に掲載されている文書も、即日では閲覧できない。事前申し込みしないといけない。また、文書の内容をあらかじめチェックしていないため、申請があってから個別に確認する作業を行わねばいけない。

②永年保存文書が歴史的公文書になっていないため、いつまでも現用文書として扱われ、情報公開請求の対象である。そこで非常におかしなことであるが、南部藩から引き継いだ近世文書も現用文書ということになってしまっている。

③作成原課が異なるので、請求者に対してバラバラに連絡が来る。

④個人情報のチェックで無駄なやり取りと時間を要する。

⑤専門的知識のある職員がいない。公文書の中身を把握していない職員が対応するため、効率的でない。

国の個人情報保護法と地方自治体の個人情報保護条例には違いがあることも指摘しておきたい。個人情報保護法は生きている人だけが対象であるが、条例は死没者まで対象としている。また条例には適用除外がない。法律では第50条で適用除外を定めている。ということは、地方の場合は何百年たっても「個人情報」のままということになってしまっている。地域の歴史は個人の歴史の積み重なりであり、個人を隠すことは地域の歴史の抹殺に等しい。

ここまで見てくると、現在の公文書管理の状況は市民にとってはデメリットしかなく、行政にとっても無駄な労力と時間を費やす大変非効率なものであるということができる。

ここで他県の例も見ておきたい。佐賀県の例である。情報公開請求によって戦後引揚援護関係の公文書を請求してみた。当初は、「見当たらない」「記憶にない」 という対応であった。その後「探したら出てきた」に変わった。なぜか?そもそもファイル名からでは中身がわからないからである。公文書に関する専門知識を持った職員が不在なのである。県の職員は長くても3年で異動するため、3年前の文書もわからないということになっている。「今を起点に過去を見る職員の不在」である。

さらに公文書に関するイメージのズレ、があるように思う。職員は自分たちが作成した文書(起案して最終的に決裁を受けたもの) が管理対象であり、他から取得した文書や調査報告書の類は、自分たちが管理すべき公文書ではなく、それらを作成した原課の公文書である、という意識が強い。取得文書や調査報告書には保存年限が付与されていない傾向があり、こうなると捨てることも残すこともできない、という極めて困った状況に職員は置かれることになる。言葉を換えて言うと、文書を評価選別する職員が不在である、ということ。公文書館があっても、内容を把握していない文書は、内容を把握していないため(何が書かれているかわからないから)責任を持って移管できない。つまり、移管の主導権を握る公文書館は不在なのである。

「情報公開法があるからいい」? 何十年も前の文書まで作成原課が責任を持って対応しなければならない。はたしてこれは可能か。自分たちが関わったこともない文書は原課から切り離したほうが現実的である。

まとめ。作成から一定年限(30年)経過した文書は公文書館、または公文書館的機能を持つ組織へ移管したほうがよい。そうすれば次のようなメリットが得られる。

☆原課の書庫からわけのわからない文書を除去することが可能。
☆原課は何十年も前の内容もわからない文書に対する情報公開請求に対応しないで済む。
☆専門的知識を持つ職員が移管された文書に対応すれば、事務効率が上がる。
☆原課職員も無駄な仕事や責任から解放される。
☆文書を閲覧したい市民も長期間待たされたり、無駄なやり取りに対応するストレスから解放される。

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第1部ではとくに加藤氏の公文書閲覧請求体験に基づく講演が興味深いものでした。今のままの公文書管理体制が市民にはストレス、職員には負担となっていることがよくわかりました。専門職を置くことは行政の効率化に大きく寄与するはずです。

第2部は遠野市の行政文書館、釜石市における被災文書の保存活用といった現場の具体的お話でした。第1部、第2部合わせて講演内容がパブリッシュされたらいいな、と思います。

岩手県には県の公文書館は未設置、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協、JSAI)加盟アーカイブズもまだないとうかがいました。これを機会にアーカイブズへの関心が高まることを期待します。

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全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)全国大会出展ポスター

2013年11月14~15日、学習院大学で開催された全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)全国大会ポスターセッションに出展したポスターです。

2011年に創立30周年を迎えた企業史料協議会の30周年以降の活動と、同協議会が編集にあたり2013年11月5日に刊行された『企業アーカイブズの理論と実践』のご案内を行いました。BAA用全史料協ポスター(A4原寸大)
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全史料協2013大会出展ポスター
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